4300万人が患う国民病「高血圧」 数ある病気の中でも「別格」な理由
第1回 「血圧が高め」と言われたらすぐに生活改善に取り組もう
田中美香=医療ジャーナリスト
高血圧の背後には、自律神経とホルモンのバランス異常あり
血圧が高くなるとどうなるかを考える前に、まずは「血圧とは何か」を整理しておこう。
血圧とは、心臓から送り出された血液が血管壁を押す圧力のこと。高血圧とは、血管壁にかかる圧力が高すぎる状態をいう。いわゆる上の血圧(最高血圧、または収縮期血圧)とは、心臓がギュッと収縮して押し出した血液が血管壁にぶつかり、血管に物理的なダメージが加わるときの数値だ。一方、下の血圧(最低血圧、または拡張期血圧)は、全身から血液が戻ってきて心臓が広がり、血管の中の血液のボリュームが減ったときに血管壁にかかる圧力を指す(下図)。