筋トレ効果は顔にも表れる? 積み重ねでカラダ若返り
筋肉とたんぱく質(下)
柳本操=ライター
筋トレは週2~3回でもOK たんぱく質はセットでとる
なお、筋トレは必ずしも毎日行わなくてもいいそうだ。
「筋トレを行うと、その後、筋肉の合成モードは2日間は続きます。月・水・金、あるいは火・木など、週2~3回のペースでも筋トレ効果は得られることを確認しています」と、藤田教授。筋肉痛が起こったら翌日は休み、無理なく続けていこう。
せっかく始める筋トレ、できるだけ効率よく筋肉を増やしたい。そこで重要なのが、筋トレとたんぱく質の摂取をセットで行うことだ。
「運動をすることによって、運動による筋肉の合成が高まるだけでなく、その後の食事摂取で筋合成がさらに高まります。筋トレ後2日間までは、筋肉の合成が高まる状態なので、筋トレをお休みする日でも、たんぱく質をコンスタントにとると、筋肉が、より合成されやすくなります。特に、不足しがちな朝食でたんぱく質を豊富に摂取すると、筋トレ効果が高まることを確認しています(グラフ)」(藤田教授)。

前回記事(「筋肉減らさない食事のツボは? 朝のたんぱく質、手のひらサイズの肉魚で」)でも紹介したが、目標は、1食あたり20gのたんぱく質だ。
筋トレと組み合わせるときには、筋肉の合成を促す働きが高い必須アミノ酸・ロイシンを豊富に含むヨーグルトやチーズなどの乳製品の他、アミノ酸配合ゼリーや、水で溶かすだけのプロテインを活用するのも手だ。
「肉や魚や卵は消化に一定の時間がかかりますが、アミノ酸やプロテインは、消化吸収スピードが速く、体に素早く取り込まれるのがメリットです。筋肉の合成スイッチを入れる機能も高いので、忙しくて食事内容を工夫できないときに取り入れてみるのもいいでしょう。BCAA(*3)は必須アミノ酸全てを含んでおらず、摂取後にその代謝の過程で他の必須アミノ酸の濃度を減少させるなど、あまり好ましくない現象も起きるため、BCAA摂取後には他の必須アミノ酸を補う必要があります。その観点からは個人的にはあまりお薦めできず、できるだけ必須アミノ酸全てを含んだサプリメントがお薦めです(当然プロテインも必須アミノ酸を全て含んでいます)」(藤田教授)。
筋トレと組み合わせたいたんぱく質サプリ
●プロテイン
牛乳由来のホエイ、カゼイン、大豆由来のソイがある。水や牛乳と合わせてシャカシャカ振って溶かすパウダー状のもの、スナック感覚で食べられるプロテインバーもある。プロテインは、ココア味やフルーツ味などフレーバーのバリエーションも豊富。
筋肉量アップを目指して運動習慣が身につくメリットはたくさんある。
血糖値の上昇が抑えられ、メタボも改善してくる。基礎代謝が高まるので、これまでと同じ量を食べても太りにくい体になる。「運動をすると、脳の神経伝達物質も活性化し、集中力が高まったり、ストレスが軽減されたりします」(藤田教授)。
運動不足が続いていて気持ちも塞ぐ、というような人こそ、筋トレとたんぱく質摂取習慣をセットで始めてみてはいかがだろうか。活力がアップし、気持ちも晴れそうだ。
(図版制作:増田真一)
立命館大学スポーツ健康科学部 教授
