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アンチエイジングの掟

筋トレ効果は顔にも表れる? 積み重ねでカラダ若返り

筋肉とたんぱく質(下)

 柳本操=ライター

筋トレは週2~3回でもOK たんぱく質はセットでとる

 なお、筋トレは必ずしも毎日行わなくてもいいそうだ。

 「筋トレを行うと、その後、筋肉の合成モードは2日間は続きます。月・水・金、あるいは火・木など、週2~3回のペースでも筋トレ効果は得られることを確認しています」と、藤田教授。筋肉痛が起こったら翌日は休み、無理なく続けていこう。

 せっかく始める筋トレ、できるだけ効率よく筋肉を増やしたい。そこで重要なのが、筋トレとたんぱく質の摂取をセットで行うことだ。

 「運動をすることによって、運動による筋肉の合成が高まるだけでなく、その後の食事摂取で筋合成がさらに高まります。筋トレ後2日間までは、筋肉の合成が高まる状態なので、筋トレをお休みする日でも、たんぱく質をコンスタントにとると、筋肉が、より合成されやすくなります。特に、不足しがちな朝食でたんぱく質を豊富に摂取すると、筋トレ効果が高まることを確認しています(グラフ)」(藤田教授)。

朝食でたんぱく質を豊富に取ると筋トレ効果が高まる
18~26歳の健康な男性26人を、朝食時にたんぱく質を追加で加えた食事を取る群(3食全てで体重1キロあたり0.24g以上のたんぱく質を摂取)、夕食時にたんぱく質を加えた食事を取る群(朝食はたんぱく質が不足だが、昼食と夕食は体重1キロあたり0.24g以上のたんぱく質を摂取)に分けた。2群の1日の合計たんぱく質摂取量は同等だった。2群とも、週3回の筋トレを行った。12週後、両群とも筋肉量(総除脂肪量)が有意に増加したが、朝食でたんぱく質を豊富にとった群のほうが変化率が大きい傾向があった。(データ:J Nutr. 2020 Jul 1;150(7):1845-1851. )

 前回記事(「筋肉減らさない食事のツボは? 朝のたんぱく質、手のひらサイズの肉魚で」)でも紹介したが、目標は、1食あたり20gのたんぱく質だ。

 筋トレと組み合わせるときには、筋肉の合成を促す働きが高い必須アミノ酸・ロイシンを豊富に含むヨーグルトやチーズなどの乳製品の他、アミノ酸配合ゼリーや、水で溶かすだけのプロテインを活用するのも手だ。

 「肉や魚や卵は消化に一定の時間がかかりますが、アミノ酸やプロテインは、消化吸収スピードが速く、体に素早く取り込まれるのがメリットです。筋肉の合成スイッチを入れる機能も高いので、忙しくて食事内容を工夫できないときに取り入れてみるのもいいでしょう。BCAA(*3)は必須アミノ酸全てを含んでおらず、摂取後にその代謝の過程で他の必須アミノ酸の濃度を減少させるなど、あまり好ましくない現象も起きるため、BCAA摂取後には他の必須アミノ酸を補う必要があります。その観点からは個人的にはあまりお薦めできず、できるだけ必須アミノ酸全てを含んだサプリメントがお薦めです(当然プロテインも必須アミノ酸を全て含んでいます)」(藤田教授)。

筋トレと組み合わせたいたんぱく質サプリ

プロテイン

牛乳由来のホエイ、カゼイン、大豆由来のソイがある。水や牛乳と合わせてシャカシャカ振って溶かすパウダー状のもの、スナック感覚で食べられるプロテインバーもある。プロテインは、ココア味やフルーツ味などフレーバーのバリエーションも豊富。

*3 BCAAは、筋肉合成を促す分岐鎖アミノ酸。ドリンクやゼリー、サプリメントなどがある。ちなみに、たんぱく質が分解されてできるアミノ酸のうち、体内で合成できないか、合成できても少量のため食事からとる必要があるのが「必須アミノ酸」(バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)。うち、バリン、ロイシン、イソロイシンは分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれ、筋肉の合成を促進し、筋肉の分解を抑制する働きが確認されている。

 筋肉量アップを目指して運動習慣が身につくメリットはたくさんある。

 血糖値の上昇が抑えられ、メタボも改善してくる。基礎代謝が高まるので、これまでと同じ量を食べても太りにくい体になる。「運動をすると、脳の神経伝達物質も活性化し、集中力が高まったり、ストレスが軽減されたりします」(藤田教授)。

 運動不足が続いていて気持ちも塞ぐ、というような人こそ、筋トレとたんぱく質摂取習慣をセットで始めてみてはいかがだろうか。活力がアップし、気持ちも晴れそうだ。

(図版制作:増田真一)

◆アンチエイジングの掟「筋肉とたんぱく質」

(上)

歩数が3割に減るだけで、筋トレ3カ月分が台無しに

(中)

筋肉減らさない食事のツボは? 朝のたんぱく質、手のひらサイズの肉魚で

(下)

筋トレ効果は顔にも表れる? 積み重ねでカラダ若返り

藤田聡(ふじた さとし)さん
立命館大学スポーツ健康科学部 教授
藤田聡(ふじた さとし)さん 1970年生まれ。1993年、ノースカロライナ州ファイファー大学スポーツ医学・マネジメント学部卒業。1996年、フロリダ州立大学大学院運動科学部運動生理学専攻修士課程修了。2002年、南カリフォルニア大学大学院キネシオロジー学部運動生理学専攻博士課程修了。2011年より現職。運動生理学を専門とし、老化とともに起こる筋肉量と筋機能の低下に焦点を当てた骨格筋たんぱく質代謝について研究する。

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