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アンチエイジングの掟

筋肉減らさない食事のツボは? 朝のたんぱく質、手のひらサイズの肉魚で

筋肉とたんぱく質(中)

 柳本操=ライター

 藤田教授は、「厳密に言えば、必要なたんぱく質量は、身体活動レベルや体の大きさによって人それぞれ異なります。主にデスクワークで時々軽い運動を行う人の場合、1日に必要なたんぱく質の量は体重1kgあたり約0.9g。体重60キロの人なら、1日54gが目安となります」(藤田教授)。

 藤田教授が、若者を対象に、3食のたんぱく質摂取配分と筋肉量との関係を調べた研究がある(下グラフ)。その結果、「3食の食事すべてでたんぱく質摂取の基準量を達成していた群では、筋肉量(除脂肪量)が有意に高くなりました」(藤田教授)。また、同じく若者を対象にした研究で、「朝食を抜いている群は、筋肉量が少ないことも確認しました」(藤田教授)(*2)。

3食ともたんぱく質摂取が十分だと筋肉量が多い
266人の健康な若い男女(平均年齢21.4歳)の筋肉量と3回の食事におけるたんぱく質摂取量の関連を調べた。被験者は、3食すべてで体重1キロあたり0.24gを超えるたんぱく質を摂取していた群と、最低1食でもたんぱく質が不足していた群に分けられた。その結果、3食すべてでたんぱく質摂取量が充足していた群は、筋肉量(除脂肪量)が有意に高かった(データ:Nutrients. 2019 Mar 13;11(3):612. )
*2 Nutr Res. 2018 Dec;60:26-32.

朝の体は「筋肉分解モード」。たんぱく質を重点的に

 朝ごはんのときに卵やヨーグルトを取っているから、たんぱく質は不足していないだろう、と思うかもしれない。しかし、「トーストとコーヒー、卵料理」や「ごはんと味噌汁、納豆」といったシンプルな朝食で取れるたんぱく質は、10~12gほど。「効率よく筋肉を合成するには、1食あたり20gのたんぱく質摂取を目指したいところ。一般的な朝食の10~12gでは、約10g足りないことになります」(藤田教授)。

 実際、2012年の国民健康・栄養調査の結果を解析した研究では、日本人の1食あたりのたんぱく質の摂取量が20g以上の人の割合は、夕食では多いが、昼食、朝食では少なくなった。また、朝食においては、たんぱく質摂取量が20g以上の人は、30代から70代の全年代で5割にも満たないことがわかった(*3)。

 「朝は軽く取り、昼もパンや麺類などの糖質中心、夜だけがっつり肉を食べる、という食べ方は、筋肉を合成モードに持っていけない残念な食べ方といえるでしょう」(藤田教授)。

 では、朝にたんぱく質を摂取することが、筋肉合成にどう影響するのだろう。

 藤田教授は、「筋肉の合成は、たんぱく質を摂取し、消化し、アミノ酸の血中濃度が上がることによってスタートします」と説明する。

 下図のように、食事でたんぱく質を取ると、筋肉では筋たんぱくの合成が進む。しかし、食後に時間がたつと、筋肉は合成から一転して分解モードになる。

 こうして筋肉は一日の中で分解と合成を繰り返しているが、「たんぱく質の摂取量が十分でないと、アミノ酸の血中濃度が上がらず、筋肉合成のスイッチがオンになりません。それどころか、たんぱく質不足によって筋肉の分解が始まってしまうのです」(藤田教授)。

 下図を見てわかるように、1日の中で、最も筋肉の分解モードが長く持続しているのが朝だ。「だからこそ朝には十分な量のたんぱく質を意識的に摂取し、合成スイッチを入れる必要があります」(藤田教授)。

朝は最もたんぱく質補給が重要
筋肉は常に分解と合成が繰り返されているが。夜間の絶食状態が続いた翌朝は、筋肉が分解モードに。朝は、たんぱく質をしっかり摂取し、筋肉合成を高めたい。(図:藤田教授による)
*3 Geriatr Gerontol Int. 2018 May;18(5):723-731.
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