外出自粛やテレワークで運動不足が加速して、お腹やお尻に出現する「たるみ」。それ、実は将来のあなたの筋肉や骨に対する「負債」です!
最新研究から、日本人は50歳を境に歩行能力が急に落ちるという衝撃の事実が明らかになっています。しかし、意識的に早く歩くことで筋力は増やせます。50歳からはスタスタ歩くウォーキングで、いますぐ「貯筋」を始めましょう。

ジムの休業や外出機会の激減で、ほとんどの人が運動不足を感じたはず。“筋肉博士”こと東京大学名誉教授の石井直方さんでさえ自粛期間中は筋力が落ち、危機感を持ったという。
筋肉が大事なのは、たるみなど見た目の問題だけはない。筋トレをしないと、「筋肉の成長を妨げたり、骨の成長を阻害したりするミオスタチンというホルモンの影響で、筋肉は委縮し、骨はスカスカになっていく。筋肉が刺激する脳機能、心血管機能、骨も弱体化して、一気に老化したような状態になる」と、京都大学名誉教授の森谷敏夫さんは言う。健康であり続けるにはとにかく筋トレが大事。40代のうちに筋トレを習慣化しておかないと、筋肉は急激に減っていくという報告もある。

これまで歩くだけでは筋肉は維持できないと言われてきたが、大また歩きなら大きな筋肉だけでなく、「坐骨や恥骨に付着する骨盤まわりの細かい筋肉、梨状筋(りじょうきん)や閉鎖筋(へいさきん)、双子筋(そうしきん)、恥骨筋(ちこつきん)などが鍛えられる」(石井さん)。
もし、若いころに比べて歩くのが遅くなっていたら、要注意だ。アシックス スポーツ工学研究所の研究によると、50歳から歩くスピードが急激に落ちて、筋力の衰えにつながるという。次ページから、将来に備える「貯筋」についてさらに見ていこう。

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