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うつのリワークプログラム

うつ休職から仕事に復帰したい! で、なんで「リワーク」?

第2回 なぜ復職にこのプログラムが必要なのか

 ふくいひろえ=文

 加えて、会社が求める職場復帰に必要な回復レベルは年々高まっています」

 かつては、週2日働ければいい、軽減勤務や短時間勤務ができればいいという会社が多かったといいます。それが表の(2)のあたり。

 ところが、今は企業に余裕がなくなり、(3)のレベルが求められています。

 「週5日の定時勤務で、ほかの従業員と同じように仕事をしても休まず働ける状態になるまで、しっかり治して職場に戻ることを求める企業が増えている」と五十嵐所長。

 この図の(1)と(3)との間の、ギャップを埋めるためのリハビリテーションのプログラムがリワークプログラムというわけです。

仕事に戻るということは、社会に戻るということ

 さらに五十嵐所長は、リワークプログラムの必要性についてこうも話します。

 「朝の通勤ラッシュに始まり、会社に行けば業務という仕事だけではなく、同僚や上司、得意先などと付き合う人間関係のなかに戻っていくことになります。

 そこでは、単にパソコンの画面を見てキーボードをたたいているだけではありません。仕事での人間関係は、個人同士の関係が複雑に絡み合うもの。苦手な上司や同僚、得意先だっているでしょう。復職するということは、そうした『社会』に戻って、環境に適応し続けること。もっと言えば、仕事上の成果を出すことも課せられます。

 一方で、うつは慢性化しやすく、再発しやすい。しかも、一度再発すると、その後はさらに再発しやすくなり、再発までの期間も短くなっていくといわれています。

 だからこそ復職する前に、しっかり病気を治すことはもちろん、仮に、うつを発症したときと同じような環境に置かれたとしても、元気に、はつらつと働けるくらいになって戻ることが必要です。

 復職には『会社で再休職せずに仕事を続けられる回復レベル』が必要だということ。これに達していなければ、復職は失敗します。うつが再発する可能性が高いのです。

 そして、『この患者さんを復職させて大丈夫なのか、この患者さんは復職後に再休職せずに済む働き方ができるのか』という判断は、診察室内で患者さんの様子を診ているだけではできません。そう考えて私は、集団で行う、このプログラムを考えたのです」

◇   ◇     ◇

 次回は、「リワークプログラム」基本の3つのステップについて解説します。

この記事は、日経BP社「うつのリワークプログラム」の内容を再構成したものです。

書籍「うつのリワークプログラム

ご存じですか? 職場「うつ」の再発を予防する「復職支援プログラム」のことを。復職3年後の就労継続率70%を誇るその内容を、システム発案者の医師と元患者が詳しく紹介!

五十嵐良雄(著)・ふくいひろえ(文)
224ページ、1540円(税込)

五十嵐良雄(いがらし よしお)さん 東京リワーク研究所所長。精神科医・医学博士。医療法人社団雄仁会理事長。メディカルケア大手町院長
五十嵐良雄(いがらし よしお)さん 1976年、北海道大学医学部卒業。埼玉医大助手、秩父中央病院院長などを経て、2003年メディカルケア虎ノ門開設。2008年、うつ病リワーク研究会発足、代表世話人に就任。2018年、一般社団法人日本うつ病リワーク協会理事長に就任。

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