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うつのリワークプログラム

うつ休職から仕事に復帰したい! で、なんで「リワーク」?

第2回 なぜ復職にこのプログラムが必要なのか

 ふくいひろえ=文

 私が休職していた当時、すでにプログラムのこうした効果については知られるところとなっていたようです。

 私の勤務先の人事担当者が、「うつによる休職からの復職者は体調を崩しやすい」と話して、「リワークプログラムを受けてから復職してもらいたい」と言った理由はこういうことだったのか! と納得しました。

リワークプログラムを利用した群(45人)と利用しなかった群(45人)とで、復職後の就労継続率を比較しました。1000日後(3年弱)時点で、プログラムを利用した群の継続率は7割弱。一方、プログラム非利用群は2割以下でした。 また、リワークプログラムを利用した人に比べて非利用者の再休職のリスクは1.89倍でした。人事部がプログラムの利用を休職者に勧める理由がよく分かります。(出典:産業精神保健;20(4),335-349,2012.)

「症状が消え、会社に毎日通えるレベル」では再休職してしまう

 五十嵐所長は、「リワークプログラム」を導入した当時を振り返ってこう話します。

 「クリニック開設当時は、『うつの症状が消えて、毎日、会社に通えるレベル』の体調の回復を目指していましたが、すぐにそれではダメだと気づきました。『復職可』という診断書を書いて送り出した患者さんたちの多くが、復職後に体調を崩し、再休職して戻ってきてしまっていたからです」

 2009年に、メディカルケア虎ノ門が全国の精神科クリニックと病院の精神科医師、計2500人に実施した「うつによる休職者の復職時や復職後に困ること」を尋ねたアンケートでも、実に半数以上の精神科医師が「復職可能な状態かどうかの判断が難しく、迷うことが多い」「復職しても短期間で再休職することが多い」と回答しています。

 さらに、「復職直前に、簡易的な業務を用意したり、休職の状態での『リハビリ出勤』の期間を設けたりする企業もありますが、多くの企業は、昨今の厳しいビジネス環境もあって、復職する社員に、以前よりもかなり高いレベルの回復状態を求めるようになっています。そして、『なぜ、リワークプログラムが必要なのか』を患者さんに説明するときに示すのが、この図です」と、五十嵐所長が見せてくれたのが下の図です。

縦軸は病状の改善度、横軸は時間の経過を表し、「休職開始」の時点では、だいぶ具合が悪い状態です。治療を開始して改善度が上がっていき、自宅療養中に主治医が復職可能だろうと判断するのが、通常(1)のあたりです。 2005年当時、職場が求める回復レベルは(2)のあたり。今は企業に余裕がなくなり、(3)のレベルが求められています。(1)と(3)とのギャップを埋めるためのリハビリテーションのプログラムが、「リワークプログラム」というわけです。

 図の縦軸は病状の改善度、横軸は時間の経過を表しています。

 会社を休職した時点が「休職開始」の改善度で、だいぶ具合が悪い状態です。ここから治療を開始して、症状が改善していき、自宅療養の状態で主治医が復職可能と判断するのが、この表の(1)くらいの改善度の段階です。五十嵐所長はこう話します。

 「実は、この図は私自身の経験を基に作りました。この図に書かれている主治医というのは私自身のことです。なぜ患者さんが復職に失敗したのかを探ったとき、会社が求める病気の改善度と、私が復職できると判断した改善度とにギャップがあったからだろう、判断が早かったのだと考えました。

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