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うつのリワークプログラム

まさか自分? うつの私、リワークプログラムに出合う

第1回 初めて知った復職支援のプログラム

 ふくいひろえ=文

 皆さま、はじめまして。ふくいひろえ(以下、ふくい)と申します。雑誌や書籍の編集の仕事をしています。以前、うつで休職していた私は、復職する人たち向けの復職支援プログラムである「リワークプログラム」を受けて復職し、今では「うつ患者」から「元うつ患者」になって、元気に働いています。

 そして、プログラムの立案者で統括者であり、私の主治医でもある東京リワーク研究所の五十嵐良雄所長と一緒に「うつのリワークプログラム」という本を作りました。これは、その本の中の内容を再構成したものです。まずは、私のうつ発症時のこと、休職、そして「リワークプログラム」に通うことになるまでを、ダイジェストでお話しします。

「まさか、私が?」、うつで会社を休職することに

写真はイメージ=(c)Aleksandr Davydov-123RF

 そもそも私が、うつと診断されたのは41歳のときでした。

「朝、会社に行こうとすると、悲しくもないのに知らぬ間に涙が流れて止まらない」という不思議な体験を、職場で話したことがキッカケです。

 えー、そんなことがあるんですか!」と後輩。

 「そうなのよ、変でしょう? なんで涙が? ってビックリ」と笑う私。

 軽口をたたく私に、上司が「診療所に行ってきなさい」と一言。そのときの上司の厳しい表情に、「えっ?」と驚いたのを覚えています。

 そして、会社の診療所で「うつの疑いがあります」と言われ、その後、精神科病院を受診し、正式にうつと診断されたのでした。悲しくないのに涙が流れたのは、感情が不安定になる症状とのことで、休養が必要と言われました。

 でも、その当時の私は、昇進して1年ほどたち、仕事も責任も増えて疲れてはいましたが、もともと大好きな仕事で、連日の残業もいとわず、責任ある仕事にやりがいを感じていたため、「そんな、まさか、私が?」という驚きでいっぱいでした。

 「どのくらい会社を休めばいいんですか?」と医師に尋ねると、「最低でも1カ月、できれば3カ月は休んだほうがいいでしょう」との返事。これには驚きました。

 「ええっ、3カ月!? 無理です。有給休暇はそんなに残っていません。1~2週間じゃダメでしょうか?」

 そう尋ねた私に、医師は「うつの治療には、ある程度まとまった休養が必要です。もし、有給休暇が残っていないなら欠勤すればいいんですよ」と答えます。

 「ケ、ケッキン? いやいや、欠勤なんて今まで一度もしたことないですし、したくありません」と、驚きとともに、即座に拒否する私。

 会社員にとって、欠勤は、よほどのことがない限りするものではない、いや、してはいけないものだという認識、ありますよね。私はそうでした。「うつ」について何も知らず、自分が「よほどの状態にある」という自覚がまったくなかったのです。

 「では、代休や有給休暇を目いっぱい使って1カ月休んでみてから、またご相談します」。そう言って、病院を後にしました。

 1カ月も休めば絶対に回復する、そのときの私はそう高をくくっていました。しかし、仕事から離れると、休んでいる間中、病気とばかり向き合うようになります。

 「いったい、どんな病気なの?」と、うつについてインターネットのサイトなどで調べだしたあたりから、私は本格的にうつの症状が進んだ気がしています。

 当時、うつの当事者によるネット情報は悲観的なものが多く、闘病記にはつらい内容が延々と続いていました。「原因は分からない」「いつ治るかは分からない」「希死念慮(死にたいと思うこと)もある」「助けて!」「もう、ダメだ……」といった闘病記の内容は私の心を、重く重く沈ませました。

 悲観が悲観を生む。そんな負のスパイラルのような時間にどっぷりつかった私。今思い出すと、初めは「うつと診断されたこと」に「私が? いやいや、そんなはずはない」と思っていたはずなのに、会社を休みだしてから、ネットで受け取ってしまった過剰な情報に、自ら沈み、希望を失っていったように思います。

 うつの症状が現れる病気には、いろいろあるということも知りませんでした。

 そしてその後、いったん仕事に復帰しましたが、出勤しようと身支度していると手が止まって動けなくなる出社困難の状態となり、打ち合わせの席で悲しくなって泣きそうになるといった症状にも悩まされ、結局、休職することになりました。

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