いつもの「お風呂」の入り方をちょっと変えるだけでアンチエイジングできて、不調も改善! お風呂と温泉について20年以上研究し、のべ3万8000人の入浴を調査してきた“お風呂教授” 東京都市大学の早坂信哉先生の直伝だから、本当に効きます。

「入浴による最大のアンチエイジング効果は、血行が良くなって肌の隅々まで栄養が行き渡り、肌のターンオーバーが促されること」というのは“お風呂教授”として知られる東京都市大学の早坂信哉教授。入浴でできるスキンケアというと、発汗して毛穴の汚れを取ることをイメージするが、そうした表面的な変化だけではないのだ。
「血行が良くなると、線維芽細胞というコラーゲンを作り出す源にも栄養が届くため、肌の弾力の維持につながってシワを防げる。入浴は、肌を洗浄して清潔にする表面的な作用だけではなく、体の中からきれいになる方法でもある」
そのために覚えておきたいポイントが6つある。1つ目は、42℃以上のお湯に入らないこと。
アンチエイジング のための
入浴スキンケア 6ヵ条
1
42℃以上のお湯に入らない
2
合計15分以上長湯しない&1日に何度も入らない
3
石けんやボディソープの使用は2~3日に1回
4
タオルやスポンジでゴシゴシ洗わない
5
半身浴ではなく、全身浴
6
湯上がり後のスキンケアは10分以内に
「肌の一番外側にある角質層では、セラミドという保湿成分が細胞と細胞の間をきっちり埋めて潤いを保っているが、42℃以上では角質層が傷みセラミドが流出しやすくなる。また、熱いお湯は炎症やかゆみの原因となるヒスタミンという物質を出やすくするので、かいて肌を傷つけかねない。それらを防ぐには、熱くても40℃までにするように」
さらに、セラミドは長湯したり、1日に何度も入浴することでも流出する。入浴直後は、肌の角質層が水分を吸っていて潤ったように見えるが、一時的なものにすぎないのだ。
「長湯や何度も入浴すると汗をかくからダイエット効果がありそうだが、消費カロリーは30~40kcal程度で、安静時と大差ない。体内の水分を奪われるだけで、水を飲めば元に戻る」
それなら、肌の潤いを保つために、1回の入浴で合計15分以上長湯せず、1日に何度も入浴しないほうがいい。これが2つめのポイントで、3つ目は、石けんやボディソープの使用は2~3日に1回にすることだ。
ゴシゴシ洗いはNG “保湿リミット”は厳守で
「シャワーだけではなく、湯船につかることが前提の話だが、湯船につかれば不要な皮脂も汚れも十分落ちる。石けんやボディソープに含まれる界面活性剤という物質は、洗浄力が強いため、使いすぎは乾燥肌や肌荒れの原因になるから要注意。皮膚科の医師の多くも、石けんは皮脂分泌が多い顔や背中の上部、わき、陰部、足の指などのみに使用を薦めている。それらの部位は、毎日石けんやボディシャンプーで洗っても問題ない」
ただし、タオルやスポンジでゴシゴシ洗わないことが4つ目のポイントになる。肌を保護する角質層はラップ1枚分という薄さで、ゴシゴシ洗うとはがれてしまうからだ。石けんやボディシャンプーを使うときは、しっかりと泡立てて、やさしくなでるように洗うのが正解だ。
5つ目のポイントは、半身浴ではなく全身浴であること。全身浴は、半身浴よりも温まりやすい分、血行も良くなりやすく、肌のアンチエイジング効果も高まるからだ。そして6つ目のポイントは、入浴後のスキンケアは10分以内にすること。
「私たちの研究チームによる調査で、入浴後の肌の水分量を計測したところ、入浴後10分までは入浴前より水分量が多いことがわかった。10分を超えると、入浴前と同じ程度に戻り、30分後には入浴前より減る。皮膚科学では、水分量が保たれたうちに保湿するのが常識なので、入浴後10分を“保湿リミット”としてケアするのが望ましい」
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