疲れない体をつくるため 不可欠な筋トレ後のストレッチ
第3回 筋肉の柔軟性を高め、腰痛や肩こりも解消!
二村高史=フリーライター
コロナ禍の運動不足で失われた体力を取り戻すために、筋トレで下半身の筋肉を鍛えたら、ストレッチも併せて行おう。ストレッチを付け足しのように考えている人は多いが、それは間違った認識だ。フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんによると、「筋肉の柔軟性」は体力を構成する重要な要素の一つであり、ストレッチで筋肉を軟らかくすることで、運動の疲労からの回復を早められるだけでなく、腰痛や肩こりを解消することもできる。今回は、下半身の筋肉をほぐす3つの静的ストレッチと、肩こり対策の動的ストレッチを紹介する。
基本は「筋トレ→有酸素運動→ストレッチ」の順番で
前回、コロナ禍で体力低下を実感した人が取り組むべき筋トレについて解説した。
フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんは、「コロナ太りを解消して、失われた体力を取り戻すという目的ならば、まず鍛えるべきは下半身。太ももの前にある大腿四頭筋、お尻の大殿筋、太ももの裏のハムストリングスなど、下半身の大きな筋肉を鍛え、短時間で効率よく筋肉量を増やし、カロリーを消費させることが大切です」と話す。
そこで、前回は、下半身の筋トレとして、フロントランジ、バックランジ、そしてシングルレッグのスクワットを紹介した。どれも負荷が高めの筋トレだったので、終わったら忘れずにストレッチをしたい。今回紹介する静的ストレッチで筋肉を伸ばすことで、回復が早くなる。
特集の第1回で、中野さんは体力とは「筋力」「心肺持久力」「筋肉の柔軟性」の3つの総合力と解説した。ステイホームで低下した体力を取り戻すには、まず筋トレで筋力をつけることが重要だが、有酸素運動で心肺持久力を、静的ストレッチで筋肉の柔軟性を鍛えることも欠かせない。
それでは、筋トレと有酸素運動と静的ストレッチは、どのような順番で行うのがいいのだろうか。有酸素運動を筋トレが終わったあとで行うことで、脂肪の燃焼効率が高められるというメリットがある。静的ストレッチは、先ほども述べたように、筋トレなどの運動が終わったあとがお勧めだ。

「運動の効率を考えるなら、筋トレ → 有酸素運動 → 静的ストレッチ、という順番がいいでしょう。ただ、どうしてもこの順番でなければならない、ということはありません。個人差があるので、自分が気持ちよく感じられ、習慣として続けられると思う順番で構いません」(中野さん)
実際、中野さん自身は、有酸素運動のあとに筋トレを行うこともあるという。