失われた体力を取り戻す 下半身の「これだけ筋トレ」
第2回 働き盛りのミドルはランジ、シングルレッグのスクワットで鍛える!
二村高史=フリーライター
コロナ禍における運動不足で「体力が落ちた…」と実感している人も多いだろう。フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんによると、体力とは「筋力」「心肺持久力」「筋肉の柔軟性」の3つを合わせた総合力。そして今、多くの人は筋肉量が減る一方で体重が増えており、体力を取り戻すには特に筋トレが重要だ。今回は、筋力を取り戻すために効果的なトレーニングを紹介する。
筋力アップにはまず階段の上り下り
前回、新型コロナで外出自粛が続いたことによる体力低下の正体について解説した。
フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんによると、コロナ太りの問題点は、体重が1キロ増えた場合でも、筋肉量が減っているので、脂肪が1キロ以上増えている可能性があること。
また、「少ない筋肉量で体を動かそうとすると、筋肉は硬くなる性質があり、そうなると痛みを感じやすくなって、体を動かしたくなくなります。そのせいで、また筋肉量が落ちるという悪循環に陥ってしまうのです」とも中野さんは指摘する。

この状況での体力低下を克服するには、筋トレが特に重要になる。だからこそ、まずは、日常生活の中に筋トレの要素を取り入れることから考えたい。手軽に活用できて有効なものとして、中野さんが第一に挙げるのは「階段」だ。
「出社や買い物の機会には、積極的に階段を使いましょう。体力低下を感じているからといって、1、2階分でもエレベーターやエスカレーターを使っていると、体力は衰える一方です。階段の上り下りには、ジョギングと踏み台昇降を合わせた筋トレ効果があります。しかも、ジョギングと違って膝関節や股関節に比較的安全です。複雑な動作をしなくても、単純に上り下りするだけで、筋肉量の増加が期待できます」(中野さん)
企業や自治体では、省エネと健康のために、上りは2階分、下りるときは3階分の階段利用を促す “2UP 3DOWN”を推奨しているところがある。だが、中野さんはこれをさらに進めて、“4UP 4DOWN”、つまり上下4階分は階段を使うことを提唱している。
そう考えると、オフィスや集合住宅はもちろん、都市部なら地下鉄の階段も格好のトレーニングジムとなる。手軽でしかも無料で使えるのだから、これを活用しない手はない。
効率よく筋肉量を増やすためには下半身の筋トレが最優先
階段の上り下りに筋トレ効果があるといっても、テレワークを続けている人は階段を使う機会があまりない。そうなるとやはり、筋トレである。
さて、ひと口に筋トレといっても、さまざまな種類がある。どこの筋肉を鍛えればよいのだろうか。
「一刻も早くコロナ太りを解消して、体力を取り戻すという目的を考えると、まず鍛えるべきは下半身です。太ももの前にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)、お尻の大殿筋(だいでんきん)、太ももの裏のハムストリングスなど、下半身には大きな筋肉が集中しています。短時間で効率よく筋肉量を増やし、カロリーを消費させるには、こうした下半身の筋肉を鍛えることが効率的だからです」(中野さん)

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