リモートワーク、休業、子どもの休校。そして日々更新される情報に振り回される負担感、度重なる予定変更、雇用は守られるのかという経済的な心配、医療崩壊――。自分が新型コロナウイルスに感染しているのではないか、あるいは目の前の人が感染しているのではないかという疑心暗鬼も加わり、誰もが息をひそめるように長期間の「不安」を感じ続けています。
下園壮太さんは、陸上自衛隊で心理教官として20年間、隊員達の心のケアに携わり、現在は心理カウンセラーとしてカウンセリングを続けています。震災の災害現場や紛争地への派遣、自殺や事故のケアという過酷な現場で多くの人をメンタル面で支えてきた下園さんに、私たちが直面している新型コロナ禍という有事をどう乗り越えていけばいいのかを3回にわたって伺います。