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元自衛隊心理教官が語る 新型コロナ禍を乗りきる心理作戦

新型コロナで「もっとしんどい状況の人もいるのに…」

自責感が増すときは、「タスク系」を自分に課さないこと

 柳本操=ライター

外出制限が解かれた後に、重くて長引く「五月病」が増える?

日々の環境が大きく変化し、自由を制限されているだけでも相当に疲れるのだ、と認めることで、イライラしてしまうことにも納得ができる。休んでいることへの後ろめたさも鎮まる、ということですね。

下園さん そうです。そもそも、不安という感情は、短期戦に備える気持ちです。今やらなきゃ、しかも焦って今やらなきゃ、というモードでエネルギーを動員させます。

 しかし、「100メートルのつもりでダッシュしたのに、1キロあった」というのが今の状態。長期戦、というイメージに書き換えないと、エネルギーが持ちません。

 自衛隊や軍隊では、「エネルギーの消耗」について優先的に考える、という話は前回もお話ししました。長期戦になるとともに、疲れは拡大していきます。

 軍隊でも、医療従事者は戦闘や災害派遣といった出来事において、「直後のストレス反応」に注目しますが、継続的に現場の責任を負わなければならない指揮官は、むしろ「兵士の疲労」をしっかりとケアします

 というのも、しばらくたって、危機が落ち着いた頃に、調子をがくっと崩す人が多くなるからです。

写真はイメージ=(c)maru123rf-123RF
写真はイメージ=(c)maru123rf-123RF

どうして、危機が落ち着いて解放された頃に調子を崩してしまうのですか。

下園さん 危機の最中は、危険に対処するためにアドレナリンが分泌して、疲労を感じさせないように体が働きます。しかし、その間にも、ふだんより「過剰」になったぶんの疲労は蓄積されていきます。警戒レベルが高いときは、戦場でも兵士はむしろ元気です。しかし、一段落したときに、隠されていた疲労が表面化するのです。

 今、みなさんにも消耗が出始めています。

 例年、4月に大きく環境が変わり、その疲れがどっと出た結果「五月病」が起こるのですが、今年は、休校や活動の自粛が解除された後に、新たな環境変化に直面し、そのときに通常よりも重たくて、長引く「五月病」が増えるのではないかと危惧しています。新型コロナもいつかは終息します。終息したときに「もう終息したのに、どうしてこんなに落ち込んでしまうんだろう、起き上がれないんだろう」という矛盾を感じたら、「それだけ疲れをためていたんだ」と認めてほしい。学校も、職場も、遅れたぶんを取り戻そうとしてハイペースに、バタバタになるでしょう。それが予測されるからこそ、今は、疲れをむやみに蓄積しないようにしておきたいのです。

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