新型コロナで「この先いったい、どうなるの?」
行き詰まったときは「できること・できないこと」の切り分けを
柳本操=ライター
予防と自粛の「行動」をしたら、あとは忘れる
「決心の時期を決める」以外に、日常をどのように過ごすと「先の見えない不安感」をなだめていけるのでしょう。
下園さん 生活の中でも、「できること、できないこと」の切り分けをするといいでしょう。
うがい、手洗いで予防する。自分の体調を管理する。むやみに外に出ない、人が密集するような場を作らない、といった感染予防のための行動は、必要なこと。感染拡大を止めるために、一人ひとりが行わなくてはいけないことです。感染への不安は放っておくと拡大しそうになりますが、そうやって自分サイズに行動を落とし込むと、「自分はちゃんと行動している」と、不安感情も理解し、なだめられてきます。
予防や自粛を行動として行ったら、後は、忘れましょう。
「感情は、命を守るための感情」だと第1回でもお話しましたね。外に猛獣がいるかもしれない、という状況で1カ月間過ごすとしましょう。外の様子をうかがい、ずっと壁に耳を付けて怯え続ける人と、「自分の空間から出なければ安全だ」と、閉じられた空間で慣れた作業をしたり、ときどき息抜きしたりして過ごした人は、1カ月後の消耗具合がまったく異なります。テレワークだと、やることも限られる。完全に「いつも通り」は「できないこと」、なぜなら今はそういうときなのだから、と、受けいれる。
家の中で過ごす時間が多くなるこの時期をどのように過ごしけばよいかというヒントや、コロナストレスによって増している「自責感」については、次回、お話ししましょう。
「できること」「できないこと」を切り分ける。
「決断する時期」を決めることで過剰なエネルギー消耗を防ごう。
(インタビュー写真:菊池くらげ)
心理カウンセラー
