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元自衛隊心理教官が語る 新型コロナ禍を乗りきる心理作戦

新型コロナで「何を信じていいかわからない」とき

拡大していく「不安感情」の正体を知り、情報のバランスをとる

 柳本操=ライター

私たちは「慣れる」タフさも備えている

今、外出を避け、人に会わない生活で、家の中で煮詰まっている人も多いかと思います。一人暮らしの人はもちろん、孤独感が強くなります。また、家族がいても、身近に不安がりの人がいると、あおられるというか、そういう難しさもありますね。

下園さん 人間は、どうしても「自分が見たもの、触れたもの」にすごく影響を受けるのです。頭では情報をフラットに見て冷静に判断しようと思っていても、そばで騒いでいる人の影響のほうが大きい。テレビで日頃からなじみのある著名人が亡くなると、不安感が増すのも、その人が自分にとって「身近」だったからです。

 ですから、身近に不安がりな人や怒りっぽい人がいる、というときには「影響を受けやすい」ことを自覚した上で、「なるべく振り回されないぞ」と心に決める。物理的に離れるのはなかなか難しいかもしれませんが、ベランダなどでぼーっと空を眺める、一人だけで静かにお茶を飲む、ストレッチをする、そんな時間をできるだけ確保しましょう。また、知りあいの中で、どんと落ち着いている人、気楽に冗談を言い合えるような人とメールをやりとりしたり、オンラインで会話をするのもとてもいいです。「元気?」と声をかけあい、他愛ない会話をするだけでも、本能的な警戒心がゆるみ、ほっとできるものです。

人と話すことって、とても大切だなと、最近しみじみ感じます。

下園さん 不安の対処の重要なコツは、人と話すことなんですよ。

 人間って、一人で考えていると、だいたい方向性を間違えていくのです。ずっと、なんとなく考え続けているうちに、よりネガティブ方向に傾いていき、修正が利かなくなる。不安なときは、集中してぐっと悩み、しかも誰かと悩むことで、間違いが修正されやすくなります。そして、考えてもどうにもならないことは、ひとまず忘れることです。

 私たちは、どんな状況にも「慣れる」というタフさを備えていることも忘れてはなりません。状況を冷静に注視して、日常的にやらなければいけないことがある一方で、この大きく変化した状況にも、やがて私たちは慣れていきます。テレワークにも慣れ、オンライン会議にも慣れ、急に増えてしまった家族との時間にも慣れてきて、互いの距離のとりかたも調整できるようになってきます。もちろん、それは、不安という感情の特質を理解し、疲労をなるべくためないようにする、という対処ができた上でのお話。それについては第2回第3回でお話ししていきましょう。

まとめ

危機の今こそ、バランス感覚を意識して。
ネガティブ情報に偏ったら、反対の情報も取り入れてみよう。

(インタビュー写真:菊池くらげ)

下園壮太(しもぞの そうた)さん
心理カウンセラー
下園壮太(しもぞの そうた)さん 防衛大学校を卒業後、陸上自衛隊入隊。心理幹部として多くのカウンセリングを手がける。大事故や自殺問題への支援を元に理論を展開。NPO法人メンタルレスキュー協会理事長。『自衛隊メンタル教官が教える 50代から心を整える技術』(朝日新書)など著書多数。

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