世界中を混乱の渦に巻き込んだ新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。PCR検査の少ない国内では、見えない感染が広がっている可能性もある。新型コロナとの戦いは今後長引く可能性も高く、不安に感じている人も多いだろう。大事な人を守るためにも、今、自分に何ができるかを知っておこう。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界中に広がり、4月末時点で全世界の感染者数は300万人を超えた。国内では早々に新型コロナウイルス感染症対策専門家会議や厚生労働省クラスター対策班が設けられ、連日、感染拡大を防ぐための対策法を模索しているが、「この新型コロナウイルス感染症は、従来の感染症とは異なり非常に厄介。感染しても8割が症状がないか軽症で、残り2割が急激に重症化する」と昭和大学医学部の二木芳人客員教授は説明する。
また、感染したすべての人が感染を広げるのではなく、ほんの一部の人が感染を拡大していることがわかってきた。とはいえ、まだ治療薬もワクチンもない状況で、新型コロナウイルスとの闘いは長引く見通しだ。
国内でも既存薬やワクチンの治験が始まっているが、使用開始は早くても夏以降。「一般にまで広く使えるようになるのはまだまだ先」と京都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授は語る。
長期にわたる闘いであれば、自分たちで何ができるかを正しく知っておいたほうがいい。特集では、感染しない、大事な人を感染させないために無理せず続けられる対策を紹介していく。
まず敵を知ろう! 新型コロナウイルスのプロファイル
プロファイル 1 |
コロナはヒトに身近なウイルス カゼやSARSのウイルスも同じ種類 |
敵をきちんと理解して感染対策を。まずは、新型コロナウイルスがどんな特徴を持っているのか学んでいこう。
\これが/ 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の正体だ!
「コロナ」とつく由来はウイルス表面に王冠や太陽のコロナ(光冠)に似た形の突起(スパイク)があるから。このスパイクはたんぱく質からなり、細胞内に侵入する際のカギ的な役割を果たす。

菌とウイルス 何が違う?
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菌は生物 宿主から栄養をもらい、自身で細胞分裂を行って増殖する生物。病原菌は、食事もしくは体表面の傷や粘膜から体内に入り、増殖を繰り返す。 |
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ウイルスは寄生物質 増殖できるのは生きた細胞の中だけだが、新型コロナウイルスは銅の上で4時間、段ボールで24時間、プラスチックやステンレスの上では2~3日生存する。 |
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