今、感染症対策の一環として「そうじ」に注目が集まっている。家庭内でも感染予防のためには、効果的な掃除が大事。病院におけるそうじ術を教える松本忠男さんは「ダニ、細菌、ウイルスなどを取り除けていないと病気の一因になることもある」と語る。今回は洗面所・浴室・トイレ。水回りに繁殖しやすい病原体を除去しよう。
水まわりに繁殖しやすい細菌、カビを除去
髪の毛や石けんカスなど、カビや細菌の栄養源になる汚れが多く、湿度も高い浴室や洗面所。油断をするとカビや細菌が一気に繁殖する危険が。自分自身を清潔にする場所だけに、衛生的な環境にしよう。

「カビが発生する条件は、酸素があること、温度が20℃以上、湿度が80%以上という3つ。洗面所や浴室は、目には見えなくても、家のどの場所よりもカビ胞子が浮遊している」と亀田総合病院で実践してきたそうじ術を教える松本忠男さんは話す。
そのため、浴室そうじに限っては換気が大切。窓があれば、窓の両側を10cmずつ開けると、浴室全体に風が循環する。また、お湯を使うと温度が上がりカビ増殖の原因になってしまうため、冷たい水を使うのが基本だ。
浴室や洗面所は、細菌の繁殖スポットでもある。水分に加え、皮脂や歯磨きのしぶきなど細菌にとっての栄養分が多いからだ。
「感染リスクが特に高いのが、緑膿菌。健康な人には害はないものの、免疫力が下がっている人や高齢者、赤ちゃんには注意が必要で、感染症を引き起こす場合も。緑膿菌は洗面ボウルやうがい用のコップの水アカ、歯ブラシなどに繁殖するため、濡れたまま放置せず、水分をこまめに拭き取って乾燥させることが大切」(松本さん)。
“病原体”はここに潜む! 「洗面所」のそうじポイント

Check! 1 |
コップ、歯ブラシを乾かし、細菌の繁殖を予防 |

使用後の歯ブラシやコップを濡れたまま放置すると、緑膿菌が繁殖する。使用後はペーパータオルなどで水気を拭き取るなどして、乾かそう。歯ブラシはドライヤーで乾かしてもOK。