内臓脂肪は簡単には落ちない―これは多くの人の誤解だった!
第1回 生活習慣病、がん、認知症のリスクを高める内臓脂肪の脅威
田中美香=医療ジャーナリスト
では、内臓脂肪はどう悪いのか。奥田さんはこう説明する。
「内臓脂肪は、ただ体にくっついているだけではありません。さまざまな物質(生理活性物質)を分泌して、生体の機能を調整するという別の顔があるのです」(奥田さん)。内臓脂肪は、各種ホルモンをはじめとする100種類以上の生理活性物質を作り、その物質は血液中に入って全身を駆け巡っている。その中には、体にプラスの作用を及ぼす善玉物質もあれば、害を及ぼす悪玉物質もある(下表)。一方、皮下脂肪は悪玉物質をあまり作っていない。