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風邪の「真」常識

風邪かどうかの見極め方は? まず3症状のチェックを

 伊藤和弘=ライター

今までに1回も風邪をひいたことがないという人はいないだろう。風邪はありふれた病気の一つであり、多くは数日から1週間程度で自然に治ってしまう。一方で「汗をかくと風邪が治る」「風邪は抗生物質で治る」など、間違った認識を持っている人も少なくない。そこで風邪に詳しい総合診療医・感染症医で北海道科学大学薬学部客員教授の岸田直樹さんに、誰もが知っておくべき風邪にまつわる正しい知識を3回にわたって解説してもらう。第1回は「風邪かな?」と思ったときの正しい対処法だ。

「風邪かな?」と思ったときの正しい対処法とは?写真はイメージ=(c)Dmytro Zinkevych-123RF

 風邪は誰もがかかった経験のあるありふれた病気だ。毎年かかるという人も珍しくはない。しかし、よく知られた風邪がどういう病気なのか、きちんと説明することができるだろうか。

 岸田さんは「自然に良くなる上気道のウイルス感染症」と風邪を定義する。

 上気道とは気道の上の部分に当たる鼻、のどのこと。ここにウイルスが感染することで風邪を発症する。「自然に良くなる」病気であることに注目してほしい。薬などを飲まなくても、放っておいてもやがて治ってしまうことを意味する。つまり、本当に風邪であれば、わざわざ医療機関を受診する必要はないわけだ。

上気道とは気道の上の部分、つまり鼻、のどのこと
[画像のクリックで拡大表示]

風邪のとき、「病院に行っても意味がない」

 日本人の風邪にまつわる誤解はたくさんあるが、中でも一番は「病院に行ったほうがいいと思っている」ことだと岸田さんは指摘する。

 「ライノウイルスやコロナウイルスをはじめ、風邪の原因となるウイルスは200種類以上あります。そのすべてのウイルスに効く薬はありませんから、本当の意味で“風邪を治す薬”は存在しません。もともと自然に治る病気なので、病院やクリニックに行く必要もありません。むしろ体調が悪い中で何時間も待たされるだけでなく、他の患者さんから別の感染症をうつされるリスクがあります」

 一般に風邪薬と呼ばれる薬は対症療法の薬。「熱を下げる」「鼻水を止める」などの症状を抑える作用があるだけで、風邪の原因であるウイルスを殺すわけではない。抗生物質(抗菌薬)は細菌を殺すが、ウイルスには効果が全くない。症状がつらいときは対症療法の薬を飲むのもいいが、それなら薬局やドラッグストアで市販薬を買えば済む、というわけだ。

まずは風邪の3症状をチェックする

 ただし、健康な大人が医療機関を受診する必要がないのは“本物の風邪”の場合だ。次回に詳しく触れるが、風邪のような症状であっても実は深刻な病気だったということもある。風邪がきっかけで肺炎などを起こすこともある。いわゆる「風邪をこじらせる」という現象で、風邪のウイルスによってダメージを受けて免疫力が落ち細菌感染するわけだ。

 では、風邪かそうでないかをどうすれば判断できるのだろう。

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