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風邪の「真」常識

一見「風邪」だが実は重大な病気? 医療機関に行くべき6つの症状

 伊藤和弘=ライター

風邪はありふれた病気だが、「汗をかくと風邪が治る」「風邪は抗生物質(抗菌薬)で治る」など、間違った認識を持っている人も少なくない。そこで風邪に詳しい総合診療医・感染症医で北海道科学大学薬学部客員教授の岸田直樹さんに、誰もが知っておくべき風邪にまつわる正しい知識を3回にわたって解説してもらう。今回は、「医療機関に行くべき症状」をまとめた。

38℃以上の高熱が3日以上続いたり、寒くてガタガタ震える場合は医療機関の受診を。写真はイメージ=(c) blueskyimage-123RF

 岸田さんによると、風邪とは「自然に治るウイルス性の上気道感染症」。200種類以上もある風邪の原因ウイルスを殺す薬は現時点で存在しないし、もともと自然に治る病気なので、健康な成人であれば、医療機関を受診する必要もないという(詳細は前回記事「風邪かどうかの見極め方は? まず3症状のチェックを」を参照ください)。

 しかし、それはあくまで「本物の風邪」の場合だ。一見、風邪のような症状が表れても、実は風邪ではなく重大な疾患のこともある。そんなときは、もちろん早めに受診したほうがいい。では、どのような症状が表れたら「風邪ではない」可能性を考えるべきだろうか? 岸田さんに具体的な例を6つ挙げてもらった。

「風邪ではない」かもしれない6つの例

1. 38℃以上の高熱が3日以上続く

 風邪をひいて初日に38℃を超える高熱が出ることも少なくない。しかし、風邪による高熱は長くても2日くらいしか続かないことが多い。「3日続いたら、ウイルスではなく、細菌による感染症の可能性が高まります」と岸田さんは指摘する。

 「また、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺がん、間質性肺炎など、肺に持病がある人が38℃以上の熱を出したときは3日待たずにすぐに受診したほうがいいでしょう。COPDの急性増悪といって急に症状がひどくなることがあるからです。間質性肺炎の人が細菌感染すると危ないですし、肺がんの人も健康な人に比べて細菌感染しやすいので注意が必要です」

 風邪の3症状である「咳(せき)」「鼻水」「のどの痛み」がまったくなく、38℃以上の熱だけの場合も風邪ではない可能性が高い

 「本当に熱だけかどうかは1日目だけでは判断が難しいですが、そういう場合は3日ではなく、2日続いた時点で受診すべきです。腎臓が細菌感染している腎盂(じんう)腎炎などが考えられます」(岸田さん)

2. いったん良くなりかけてぶり返す

 前回「風邪かどうかの見極め方は? まず3症状のチェックを」でも触れたように、風邪をひくと多かれ少なかれ「咳」「鼻水」「のどの痛み」という3症状が通常表れる。「48時間以内にこの3症状がそろってくれば、風邪と考えていいでしょう。特に鼻水の症状が強い場合は命に関わる重大な病気であることはあまりなく、風邪であることが多い」と岸田さん。

 ところが、いったん良くなりかけたのにぶり返すことがある。いわゆる「風邪をこじらせた」状態で、改善傾向にあると思っていたら再び高熱が出る、咳がひどくなる、といったときだ。こういうときは細菌に感染していることも少なくない。風邪のウイルスによって鼻やのどの粘膜が炎症を起こすと、免疫力が落ちて細菌に感染しやすくなってしまうのだ。

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