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風邪の「真」常識

一見「風邪」だが実は重大な病気? 医療機関に行くべき6つの症状

 伊藤和弘=ライター

5. 咳をすると胸が痛い、痰(たん)に血が混じっている

咳をすると胸が痛い、あるいは、咳が3週間以上続いている場合も要注意。写真はイメージ=(c)Shao-Chun Wang-123RF

 前に触れたように、風邪をひくと粘膜が炎症を起こして細菌に感染しやすくなる。成人の場合、最も多いのは肺炎だ。細菌性の副鼻腔炎や中耳炎を起こすこともある。

 咳や呼吸をすると胸が痛いときは、肺炎や胸膜炎の可能性がある。また、血痰(血が混じっている痰)が出る場合には結核に感染している可能性があるという。結核は不治の病ではなくなったが、撲滅されたわけではなく、日本は先進国の中では結核患者が多い。症状が似ていて風邪だと勘違いされやすいので注意しよう。

 「血痰が出るときは肺炎、肺がんも考えられます。呼吸するとき胸が痛いなら胸膜炎かもしれません。このような症状が見られたら受診したほうがいいでしょう」(岸田さん)

6. 咳が3週間以上続いている

 風邪が治った後に咳の症状だけ長く続くことがある。最も多いのは「感冒後咳(かんぼうごせき)」という風邪の残り火のようなもので、この場合は2週間程度で自然に治っていくことが多い。咳が長く続いても初期に風邪の3症状(咳、鼻水、のどの痛み)があったときは重大な病気である可能性は低い。

 「逆に最初から咳だけというのは心配です。また、咳が3週間以上続くときも要注意。医療機関を受診したほうがいいと思います」(岸田さん)

 咳が3週間以上続いているときは肺がん、咳喘息(ぜんそく)、結核などの病気になっている可能性があるという。そのほか、後鼻漏(鼻水がのどに流れる)や胃食道逆流症(胃液が食道に上がってくる)によって咳が続いていることもある。

 長引く咳といえば、2018年には百日咳も流行した。百日咳菌という細菌の感染によって起こる感染症だ。「大人がかかってもそれほど心配はない病気ですが、生後1年以内の乳児だと命の危険もある。妊婦や乳幼児はくれぐれも注意してください」と岸田さんは話す。

 今回は風邪と混同しがちな別の病気について説明したが、次回は「本物の風邪」の予防策について説明しよう。

(図版作成 増田真一)

岸田直樹(きしだ なおき)さん
総合診療医、感染症医、感染症コンサルタント
岸田直樹(きしだ なおき)さん 公衆衛生修士(MPH)、北海道科学大学薬学部客員教授、一般社団法人Sapporo Medical Academy代表理事。2002年旭川医科大学卒業。手稲渓仁会病院総合内科・感染症科チーフ兼感染対策室長などを経て14年よりSapporo Medical Academy代表理事。日本内科学会総合内科専門医。日本感染症学会専門医・指導医。著書に『誰も教えてくれなかった「風邪」の診かた 重篤な疾患を見極める!』(医学書院)など

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