「筋肉体操」の先生が指導! 3つの筋トレでみるみる筋肉が貯まる
第2回 効果抜群! スクワット、レッグレイズ、カーフレイズ
二村高史=フリーライター
年を取っても寝たきりにならず、健康寿命を延ばすためには、「筋肉」が重要であることが分かってきた。しかし、自分の足で歩き、転倒・骨折を防ぐために地道な「筋トレ」が有効だと言われても、「まだまだ大丈夫」と先送りしてはいないだろうか。「筋肉貯金」の提唱者である近畿大学生物理工学部准教授の谷本道哉さんに、「これだけはぜひやりたい」という効果の大きい筋トレ3種目を教えてもらおう。
長生きのためにも重要な「筋肉」。だが、何もしないで放っておくと、筋肉量は80歳でピーク時(30歳前後)の半分近くになってしまう。また、厚生労働省の調査によると、要介護になった主な原因のうち、約4割は筋肉不足に関係しているという。
筋力が低下した人は、心不全や脳梗塞などでの死亡リスクが高くなるだけでなく、糖尿病の発症率にも関係している可能性がある。だからこそ、50~60代からの「筋肉貯金」が大切だと話すのが、近畿大学生物理工学部准教授の谷本道哉さんだ。
前回、自分の筋肉貯金の残高を判定するテストを紹介した。実際に試してみると、思いのほか残高が少なくてショックを受けた人もいるかもしれない。すると気になるのは、「どのようなトレーニングを行えば筋肉貯金ができるのか」だろう。
ウォーキングやラジオ体操では筋肉貯金には不十分
「私はしょっちゅうウォーキングをしているので大丈夫」
「ほぼ毎日ラジオ体操をしているから健康には自信があります」

日々の運動習慣について質問をすると、このような答えが返ってくることが多い。確かに、ウォーキングのような有酸素運動を行うと、メタボリックシンドロームのリスクを下げられる。ラジオ体操にしても、関節の動きをよくして、快適に動ける体を維持する効果があるだろう。どちらもよい運動であることに間違いはなく、そもそも運動の習慣が身に付いていること自体は素晴らしい。
だが、「こうした運動が筋肉貯金に有効かといえば、残念ながら十分とは言えません」と谷本さんは言う。
「ウォーキングやラジオ体操のような負荷の軽い運動だけでは、筋肉の衰えを防ぐことはできません。筋肉を鍛えて筋肉量を増強するには、日常生活ではかからないような強い負荷を直接筋肉にかける必要があるのです」(谷本さん)
筋肉に強い負荷をかけるトレーニングというのが、いわゆる筋トレである。そのなかでも今回は、高齢になってもしっかりと歩けるようにする3つの筋トレを紹介しよう。