検診から治療まで、「がん」についての正しい知識
男性の62%、女性の47%がいつかなる
日経おとなのOFF
50代後半からがんの罹患率は徐々に上昇し、60代以降は、男性が女性より顕著に高くなる。がんの罹患というピンチが、自分はもちろん家族に訪れたらどうすればいいのか。がんの治療は、正しい知識と生活を支える制度を知って活用する、情報戦でもある。

2人に1人はがんになる。ただし、不治の病ではない
がんは1981年に日本人の死亡原因の1位になった。生涯でがんになる確率は、国立がん研究センターの「がん登録・統計」では、男性62%、女性47%。ということは、ほとんどの人は自分か家族ががんになるということだ。
「一般の方にとって、がんは珍しい病気で治らないものというイメージがあるようです。しかし、がんと診断された人の『5年相対生存率』は男女計で62.1%。これは70~80代といった高齢の方や、進行したがん患者も含めての統計です。早期がんなら8~9割は治ります」と、国立がん研究センター・がん対策情報センターのセンター長、若尾文彦さん。
がんの対策としては、早期の発見がやはり基本で、検診はしっかりと受けたい。がん検診で「異常あり・要精密検査」という結果が出ると、不安になって精密検査を受けない人も珍しくないそうだが、それでは後で悔やむことになりかねない。上の図でも示した通り、がん検診からがんであることが確定し、治療して治癒に至るプロセスでは、なすべきことがたくさんある。後悔しないためのポイントを次ページから紹介する。