絶対に休めない医師が実践する「健康にいい生活習慣」
第2回 朝から夜まで、実際にやっている健康管理をチェック!
青木由美子=ライター/編集者
誰しも健康や体調に気を使っているが、体調を崩したりして、仕事でパフォーマンスを発揮できなくなることがある。体調不良にならないためには、バランスの取れた食事、十分な睡眠、そして風邪などの感染症の予防が欠かせない。東京・池袋駅のほど近くにクリニックを構え、毎日膨大な数の患者を診察し、「絶対に休めない医師」である池袋大谷クリニック院長の大谷義夫さんに、科学的根拠がある体調管理術について教えてもらおう。

前回、ついおろそかになりがちな「風邪対策」について、池袋大谷クリニック院長の大谷義夫さんに教えてもらった。風邪気味になっても、忙しかったりすると、特に対策せず仕事を続けてしまいがちだが、大谷さんはなんと、プールで5分だけ泳ぐという。
「風邪のひきはじめにプールで泳ぐというと、必ず驚かれます。でも、軽い運動を短時間すると、免疫力が上がり、その後の回復が早いと感じています」と大谷さん。
大谷さんは、医師になって30年以上、ほとんど病気をしたことがない。そんな大谷さんが、日頃から行っている「科学的根拠(エビデンス)」に基づいた体調管理についてまとめた著書が、『絶対に休めない医師がやっている最強の体調管理』(日経BP)だ。今回は本の中から、大谷さんが実際にやっている生活習慣について、朝から夜まで紹介していこう。
朝、起きたら水を飲む、タオルを握る
AM7:00 起床 「手術着」で目覚める

大谷さんは、毎朝7時に起床。珍しいことに、手術着をパジャマ代わりにしているそうだ。「手術着というのは、とても着心地がよく、着ているときに体に負担がかからないようになっています。そのため、寝返りが打ちやすいのです」(大谷さん)
快眠のために寝返りは重要だ。健康な成人は、一晩で20~30回は寝返りを打つといわれている。寝返りをせず、ずっと同じ姿勢で寝ていると、特定の箇所の骨や筋肉に負担がかかり、血行が悪くなってしまう。「とはいえ、医療従事者ではないみなさまが手術着で寝るのは難しいでしょうから、とにかく寝返りを打ちやすいパジャマなどで眠ることをお勧めします」(大谷さん)
大谷さんが目覚めてすぐベッドで行うことが2つある。1つは水を飲んで水分補給すること、そしてもう1つはタオルを握って血圧を下げることだ。
「目が覚めたときにコップ1杯の水を飲めば、夜間の水不足でドロドロになった血液を循環させ、脳卒中・心筋梗塞のリスクを減らすことができます。これは、夏であれば、睡眠中の脱水から熱中症にならないための対策でもあります。冬であれば、喉の乾燥を防ぎ、喉の「線毛運動」が活発になって異物が排出されやすくなり、風邪対策にもつながります」(大谷さん)
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