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絶対に休めない医師の健康管理

医師がやっている科学的に証明された“風邪対策”とは?

第1回 風邪・インフルエンザはどこまで予防できるか

 青木由美子=ライター/編集者

「風邪は自然に治る」といって対策を怠ると…

 「風邪はとてもなじみが深い病気ですが、風邪についての科学的な知識を持っている人は、意外と少ないのではないでしょうか。医師ですら、古い知識で風邪の診療に当たっている場合があります。ですから、風邪について正しい知識を持つことがまずは重要です」と大谷さんは話す。

 風邪とは、呼吸器感染症のうち、急性上気道感染症の1つであり、「風邪症候群(common cold)」と呼ばれている。「さまざまなウイルスを原因として鼻汁や鼻閉(鼻づまり)などの上気道炎症状をきたし、自然軽快する症候群」というのが専門的な定義だ。

 上気道とは呼吸器のうちの鼻から喉の奥まで、つまり気管・気管支にまで達しない部分のこと。そこに現れる、喉の痛みや、咳、鼻水や鼻づまりなどが上気道炎症状だ。

呼吸器の分類
風邪は、急性上気道感染症の1つ。上気道とは、鼻から喉の奥まで、つまり気管の手前までを言う。風邪は、上気道に、鼻水、鼻づまり、喉の痛み、咳などの症状を引き起こすのだ。また、下気道に症状が起きるときは気管支炎、さらにその先まで行くくと、肺炎などの病気になる。

 「風邪でも発熱することがありますが、3日以上は続かず、38℃は超えないのも特徴です。風邪による炎症が上気道を通り越して、気管支に広がると気管支炎に、それが肺に到達して悪化すると肺炎になります。『風邪は自然に治る』からといって体調管理を怠ると、こじらせてさらにひどい病気になる可能性があるのです」(大谷さん)

風邪の30~40%は「ライノウイルス」が原因

 よく、「私は喉の風邪をひきやすい」「いつも鼻風邪なんだ」などと言う人がいる。しかし、風邪の三大症状である、鼻、喉、咳は、たいていの場合、同時に起こっている。ただ、その三大症状のうち、鼻水や鼻づまりがひどいと感じれば「鼻風邪」、喉の痛みが目立っていれば「喉風邪」だと思う、ということなのだ。

 三大症状のうち、どれが強く出るかについては、風邪の原因となるウイルスが、鼻や喉などのどこの場所について増殖し、炎症を引き起こしているかに左右される。「自分はいつも喉から風邪をひく、などと思っている人がいるかもしれませんが、体質によってどの症状が出やすいか、という研究報告は恐らくありません」(大谷さん)

 風邪の原因は、ほとんどがウイルスで全体の80~90%にも上る。そして、残りの10~20%は主に細菌だ。風邪をひいたときに、医師から「念のために抗生物質を出しておきましょう」と言われた経験があるかもしれない。抗生物質とは、抗菌薬ともいわれ、細菌を殺すための薬。ウイルスが原因で風邪をひいている可能性が高いのに、抗生物質を処方されるのは、まさに「念のため」以外の何物でもなく、現在は「風邪で不要な抗生物質は出さない」のが常識になっている(*1)。

*1 不要な抗生物質を使い続けていると、抗生物質に耐性を持った細菌が生まれる可能性があるため

 風邪の原因となるウイルスは、200種類程度あると考えられている。ここでは、風邪を含めた上気道感染症の主な原因ウイルスを3つ紹介しよう。


1 ライノウイルス

最もメジャーな風邪のウイルスで、風邪の30~40%はライノウイルスによるものといわれている。別名「鼻風邪ウイルス」というだけに、鼻をつまらせたり逆にグズグズにさせたり、喉の炎症を引き起こす。春や秋に流行しやすい。
ライノウイルスは、鼻の奥に侵入し、細胞にとりつく
鼻から侵入したライノウイルスは、鼻腔を通り、鼻の奥のほうへ到達する。そこで、表面の体細胞にとりつく。ウイルスは体細胞の中で自分自身のコピーを大量に作らせ、やがて細胞を破壊し、そしてウイルスが体の中でばらまかれる。
2 コロナウイルス

風邪の約10%はコロナウイルスによるものといわれている。鼻、喉、咳の症状の他に発熱も伴うことがある。に流行する。

3 インフルエンザウイルス

インフルエンザ(呼吸器疾患を引き起こす急性感染症)を引き起こすウイルスで、に流行しやすい。季節性のものとしてA型、B型、C型がある。


 「上記のうち、最も怖いと考えられるウイルスが、インフルエンザです。高熱が出ること、筋肉痛や、全身の倦怠感などがあり、風邪より症状が重く、さらに重症化する危険性があるためです。例えば、インフルエンザの感染後、免疫が低下して肺炎を発症することが少なくありません。最悪の場合は命に関わります。インフルエンザは感染力が高いので、人にうつさないためにもワクチンで予防することが大切です。ワクチンを打っても感染することはありますが、症状が軽減します」(大谷さん)

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