重症メタボから一転、70歳で「エベレスト登頂」を目指す
冒険家・三浦雄一郎さんの攻め抜く健康法(前編)
柳本操=ライター
守りの健康法から、攻めの健康法へ
三浦さんは、健康法には2種類あると説明する。まず、守りの健康法。現状を維持するために、早寝早起きやウォーキングなどを無理のない範囲で行うものだ。しかし、それではエベレストには登れない。
「守りとは反対の、攻める健康法をやってみようと考えました」(三浦さん)
目標の70歳まで、あと5年。筋力を高めるために、三浦さんは両足首に重りをつけ、重りを入れたリュックサックを背負い生活することにした。
1年目は片足に1キロずつ、背中に5~10キロの重み。3年目には片足5キロずつ背中に25キロ。最終的には片足10キロずつ、背中に30キロの合計50キロの負荷をかけ、トレーニングに励んだ。気がついたらメタボはすっかり完治し、足腰の力も復活。2003年、70歳の史上最高年齢でエベレスト登頂を成し遂げたというニュースは日本だけでなく世界を駆け巡った。
続いて、三浦さんが掲げた目標は、75歳、80歳での再登頂。それぞれの挑戦で乗り越えた、心臓手術、骨盤骨折といった身体的な“ハードル”については、後編で紹介していく。

(写真:菊池くらげ)
プロスキーヤー、クラーク記念国際高等学校校長
