メガネだけじゃない! 専門医が教える「最強の老眼対策」選び
第2回 老眼の最新治療のメリット・デメリットとは?
梅方久仁子=ライター
老眼は、始まる時期に個人差こそあれ、誰もが逃れられない老化現象だ。しかし、遠近両用の眼鏡やコンタクトレンズを上手に使いこなせば、それほど困らず快適に過ごせるようになる。眼鏡もコンタクトレンズもいやなら、手術という選択肢もある。特集第2回となる今回は、自分に合った老眼対策の選び方のポイントを、『老眼のウソ 人生をソンしないために』(時事通信社)の著書もある眼科専門医の平松類さんに聞いていく。
第1回
第2回
メガネだけじゃない! 専門医が教える「最強の老眼対策」選び
第3回
調査編
「老眼鏡はどこ?」…かけたり外したりの煩わしさから逃れるには

近視なら、近視用の眼鏡やコンタクトレンズを使えば日常生活には困らない。老眼だって、老眼鏡を使えばいいはずだ…というわけにいかないのが、老眼の困ったところだ。
第1回(「間違った老眼対策で、人生こんなに“損”をする」)で解説したように、老眼とは、目のレンズの役割を果たす水晶体と、その厚さを調節する毛様体筋が衰え、さらには脳の機能も低下することによって、ピントを調節できる範囲が狭くなっていく現象のことを言う。老眼では、ピント調節に大きなエネルギーが必要な「近い距離にあるもの」から、はっきり見えなくなっていく。
老眼鏡(単焦点のタイプ)は、その「狭くなったピントが合う範囲」が自分の近くに来るよう調節するもの、と考えるとイメージしやすい。ピントが合う範囲が広がるわけではないので、近くにピントが合うように調節すると、今度は遠くが見えなくなる。例えば老眼鏡を使って読書をしていて、ふと壁の時計を見上げると、裸眼では見えるはずの時計の針が、ぼやけて見えない。そのため、異なる距離に視線を移すたびに、老眼鏡をかけたり外したりしなければならない。そうした動作はいちいち面倒だし、車の運転などで手が離せない場面では、そもそもかけ外しは不可能だ。
かけたり外したりしているうちに、老眼鏡をついどこかに置き忘れてしまうのも問題だ。せっかくの老眼鏡もどこにあるのか分からなくては、必要なときに使えない。なくしてしまえば、そのたびに作り直す費用がかさむ。日経Goodayが行った読者調査(「老眼はつらいよ 読者344人の赤裸々証言」)では、「家中いたるところに100円ショップで買った老眼鏡を置いている」という声もあった。
こうした日々の生活での煩わしさに加え、「老眼鏡をかけたり外したりすることで、周囲に『老眼だな』と思われるのがいやだ」という悩みも多かった。
実は、このような悩みや不満は、様々な方法で解決できる。遠近両用の眼鏡を使いこなせば、いちいちかけたり外したりする必要は減るし、遠近両用コンタクトレンズや、手術という方法もある。
そこで今回は、眼科専門医で『老眼のウソ 人生をソンしないために』(時事通信社)の著者でもある平松類さんのアドバイスに基づき、「自分にとって最強の老眼対策」を探す秘訣をお伝えする。

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