糖化反応を抑え、AGEsの生成をブロックする食材はこれだ!
第3回 身近な食物に糖化反応の抑制効果があった
柳本操=ライター
近年、体の老化を進める元凶の1つとして注目されている「糖化」。見た目の若さはもちろん、血管や内臓、骨、関節の機能低下にも深く関わっているという。糖化を防ぎ、“老けにくい体”を作るための対策を紹介する本特集。最終回となる今回は、糖化対策の専門家・同志社大学の八木雅之さんに、糖化対策の3本柱の2つ、「糖化反応を抑える」「できてしまったAGEsを分解する」について詳しく聞いていく。

糖化の怖さと糖化に歯止めをかける対策について紹介する本特集。第2回では、糖化コントロールの3本柱のうち、最優先課題となる「食後高血糖を抑えるための食べ方」をお伝えした。
食後高血糖対策のポイントは、主食にたんぱく質や酢、野菜、油などを「組み合わせて食べる」こと。糖化のプロフェッショナル・同志社大学 生命医科学部 糖化ストレス研究センター チェア・プロフェッサー教授の八木雅之さんは、「“組み合わせ”を変えるだけで食後の血糖値の上昇は穏やかになり、AGEs(糖化最終生成物*1)の生成も抑えられます。手軽に始められますし、ストレスなく続けられますので、まずここから実践してください」と話す。さらに、血糖値が上がりにくい食材(低GI食品)を選ぶ、食事の後に眠くなるタイミングで積極的に体を動かす、といった対策も適宜実践していくといいだろう。
八木さんは、「これら食べ方の工夫の効果を底上げする方法があります」と話す。それが今回紹介する「糖化コントロール対策3本柱」の残り2つ、「糖化反応を抑える」と「できてしまったAGEsを分解する」だ。
「食べ方の工夫を実践しても、食事をする限り血糖値は上がります。また、食事以外でも、甘いものが欲しいときもあります。コントロールできずに、血中でだぶつく糖は大なり小なり発生するわけです。そんなときに、糖化反応を抑える食物を併せて摂取して、AGEsの生成を抑制しようというわけです(⇒対策2)。また、AGEsが体内で生成されてしまっても、それを分解する働きを持つ成分も明らかになってきています。これらも併せて摂取するのがお勧めです(⇒対策3)」(八木さん)
左の図のように、「対策2」は、余分な糖が体内でたんぱく質と結びついて糖化反応を起こすプロセスをブロックしようというもの。そして「対策3」では、“体内にできてしまったAGEs”の分解を促そうというわけだ。
八木さんによると、私たちの身近にある食材にこれらの働きがあることが分かってきたという。まずは、対策2の「糖化反応の抑制」から八木さんに聞いていこう。