「おからパウダー」の栄養成分はここがすごい!
保存性に優れ、タンパク質、カルシウム、食物繊維、大豆イソフラボンが豊富
日経おとなのOFF
ただの搾りかすだと思ったら大間違い。大豆の体にいい成分がしっかり残るおからを、粉末状にしたものが「おからパウダー」。毎日食べれば、腸も血管も“若返り”が可能かも!?
おからパウダーは活用の幅が広く、保存性と豊富な栄養成分が魅力

豆腐や豆乳を作った際の搾りかす、という存在から、今、そのダイエット効果が注目され、スーパーで品薄になる人気ぶりの「おからパウダー」。
「おからは、卯の花など和総菜の素材として親しまれてきましたが、劣化しやすく一度に使い切れない、という難点がありました。しかし、おからを乾燥させて細かい粉末にしたおからパウダーは、保存性も増し、活用の幅がぐんと広がっています」と、料理研究家の高橋典子さん。
食生活と長寿との関わりを探る予防栄養医学を長年研究してきた、武庫川女子大学国際健康開発研究所所長の家森幸男さんも、「大豆は古くから日本人の長寿を支えてきた食材で、“天然のサプリメント”といえるほど栄養成分を豊富に含みます。おからにも大豆タンパク、食物繊維、カルシウム、大豆イソフラボンといった大豆の主要成分がたっぷり残されています」と言う。
家森さんは、脳卒中と食生活との関係を突き止めるために、1974年に、脳卒中を遺伝的に発症するラットの開発に成功した。「脳卒中発症ラットは、1%の食塩水を与えると3カ月以内に脳卒中で死亡しますが、大豆や魚のタンパク質を与えると脳卒中が予防できることを実証しました」。
大豆タンパクの健康効果は世界中で盛んに研究され、アメリカでは大豆タンパクを含む食品に「動脈硬化を防ぐ」表示を承認している。また、抗酸化効果が高い大豆イソフラボンも、血管壁をしなやかにして血栓を防ぐ。「人間は血管とともに老化するといわれますが、大豆は血管そのものを若く保つのに貢献します」。
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食物繊維やタンパク質の量が 生おからより豊富! |
大豆から豆乳を搾った後の「生おから」。この生おからを乾燥させたパウダーにも、栄養は豊富に残っている。特にパウダーに多いのが、タンパク質、カルシウム、食物繊維。豊富な不溶性食物繊維は、胃や腸で水分を吸って膨らみ、満腹感を維持したり、腸の蠕動(ぜんどう)運動を高めてお通じのスムーズな排出を導いたりする働きがある。

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大豆タンパク質が 動脈硬化を予防 |
大豆タンパク質の働きについて、1999年に米国食品医薬品局が「1日25gの大豆タンパク質摂取が心疾患リスクを下げる」という健康強調表示を承認。「私たちの研究でも、大豆タンパク質摂取による血圧の低下や、動脈硬化指数の低下を確認しています」(家森さん)。
大豆タンパク質を8週間摂取すると血圧が下がり、動脈硬化指数も低下

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