世界の筋肉研究から、筋肉貯金、筋トレによる健康、美容の話題をピックアップ。質問に答えながら楽しく学んでください。
第1回
下半身の「これだけ筋トレ」で老化を防ぎ、太もも、お尻を引き締め
第2回
「ずぼら」でもバストアップ&二の腕引き締め 見た目の印象を若く
第3回
筋トレと減量、どっちが寿命を延ばす? クイズで学ぶ「筋肉貯金」
寿命を延ばすためにより重要なのはどっち?
質問
1 |
筋トレとダイエット 長生きのためにはどちらが重要? |
ロ 筋トレ ロ ダイエット ロ ダイエットも筋トレも同じ |
英国バイオバンクという、40~69歳の50万人のデータベースから約40万人を対象にした大規模調査で、筋力の一指標である握力と肥満度によって死亡リスクを比較した報告がある。

それによれば、筋力と肥満度の関係は、図のようになるという。肥満で筋力が低いと最も死亡リスクが高く(a)、普通体重で筋力が高い人が最も死亡リスクが低かった(d)。
気になるのは、筋力の低さと、肥満度の高さの、どちらがより死亡リスクが高めるかだ。結論は、こうだ。肥満度に関係なく、筋力が低いと死亡リスクは高くなる。一方、肥満度が高いと死亡リスクは顕著に高まるが、筋力が高ければ、そのリスクは多少軽減される、としている(c)。つまり、死亡リスクを下げるには、まず筋トレだ。食事制限だけのダイエットでは筋肉は増えにくいことは覚えておこう。
質問
2 |
筋トレと有酸素運動 脂肪を燃やす効果が最も高い順序は? |
ロ 筋トレの20分後、有酸素運動を行う ロ 筋トレの2時間後に、有酸素運動を行う ロ 有酸素運動の後に筋トレをする |

筋肉を増やす場合と同様、体脂肪を減らすにも、脂肪を燃焼する有酸素運動と、基礎代謝を増やす筋トレの両方をやるのが効果的。だがその順番によって効果が変わってくる。脂肪燃焼を狙うなら、筋トレを先にするほうが、格段に効果は上がることが東京大学の石井直方教授らの研究で確認されている。
筋トレが、脂肪の分解を促すアドレナリンや成長ホルモンの分泌を強く促す一方、有酸素運動では、アドレナリン分泌は促すものの、成長ホルモンの分泌を抑えてしまう。つまり、効率よく脂肪を燃やすには、先に筋トレで成長ホルモンの分泌を高めておくほうがいいというわけだ。また、筋トレ後、有酸素運動までの休憩が短めだと、脂肪燃焼効果が高まる。