肩甲骨の間にある筋肉がうまく使えていないと、体幹の動きが制限されて、肩こりや猫背の原因に。肩甲骨を真ん中に引き寄せられるように、肩甲骨まわりの筋肉を「リセット」することが不可欠! 肩こりや猫背を解消する「肩甲骨リセット体操」を紹介しよう。

マッサージでも治らない? 肩まわりの筋肉に問題発生
肩や背中をマッサージでもみほぐしても、凝りが解消しない人は多いはず。「肩こりの根本的な原因は、外側に開いたまま、動きが悪くなった肩甲骨まわりの筋肉にある」と、早稲田大学スポーツ科学学術院の金岡恒治教授は話す。長時間のデスクワークなどで前かがみの姿勢を続け、肩まわりを動かさなくなっていることが一因だ。
「肩甲骨を背骨に引き寄せる働きを持つのが深部にある菱形筋(りょうけいきん)。この筋肉が働かないと、表層の僧帽筋(そうぼうきん)が代わりに働くことで負担がかかり、凝りが生じる」(金岡教授)。
菱形筋がうまく機能せず、肩甲骨が左右に開くと、肩が前に出る、猫背になるなど、姿勢も悪くなりやすい。すると、体幹がうまく使えなくなったり、ほかの筋肉の負担が大きくなるため、疲れやすくなることも。
開いた肩甲骨を引き寄せるにはリセット体操を。菱形筋が刺激され、動きが安定する。「行う頻度を増やすほど、効果も出やすい」(金岡教授)。
長時間のデスクワークで前かがみの姿勢が続くと
肩甲骨の間の筋肉に問題が生じる

菱形筋が働かなくなると、僧帽筋に負担がかかる
肩甲骨を正しい位置に戻す働きを担うのは、肩甲骨と背骨をつなぐ菱形筋。この筋肉がしっかり働かないと肩甲骨が左右に開き、僧帽筋が伸びて筋緊張を起こす。これが凝りや、胸椎の動きを悪くする原因。