血中のアミノ酸を調べれば、7大がん、糖尿病、脳卒中のリスクが分かる!
第2回 アミノインデックス検査でさまざまな病気のリスクを把握
梅方久仁子=ライター
「人生100年時代」と言われる今、ただ長生きをするのではなく、いかにして健康寿命を延ばすかが重要になってきた。人間ドックの役割も、すでにかかっている病気を発見するだけでなく、将来かかる病気を事前に見つけ、対処することへと広がってきている。ここでは、血中のアミノ酸濃度で、がん、糖尿病、脳卒中・心筋梗塞のリスクが分かるという、アミノインデックス検査を取り上げよう。
病気のリスクが分かるアミノインデックス検査とは

前回、「100歳まで健康に生きる」ためには、個人の病気のリスクを把握し、それにより病気の発生そのものを予防する取り組みが必要だと述べた。
個人の病気のリスクを検査する方法の一つが、アミノインデックスリスクスクリーニング検査(以下、アミノインデックス検査)だ。1回5mLの血液を使い、その血中アミノ酸濃度のバランスから病気のリスクを判定する。
アミノインデックス検査で分かるのは、肺がん、胃がん、大腸がん、膵がん(膵臓がん)、前立腺がん、乳がん、子宮・卵巣がんの7種類のがんにかかっているリスク、また、4年以内に糖尿病を発症するリスクも判定できる。さらに、2019年4月からは、10年以内に脳卒中・心筋梗塞を発症するリスクも判定できるようになる。

なぜ血中アミノ酸濃度の測定で病気のリスクが分かるのか、リスクはどのような形で判定されるのか。三井記念病院総合健診センター特任顧問の山門實氏の話をもとに詳しく紹介していこう。
人間の体を作るたんぱく質は、20種類のアミノ酸が、鎖のように結合して構成されている。たんぱく質の種類によって、利用するアミノ酸の種類、数、連なる順番は、厳密に定まっている。
そのため、例えば体の中で特定のたんぱく質が合成されたり、分解されたりすると、特定のアミノ酸が不足したり過剰に生じたりして、血中アミノ酸の濃度バランスが変わってくる。
アミノインデックス検査では、そのアミノ酸の濃度バランスと疾患の関わりを調べ、病気のリスクを判定する。現在、全国約1400カ所の医療機関で受けられる。費用は約2万5000円で、人間ドックのオプション検査として利用できるところが多い。
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