100歳まで健康に生きるための人間ドック活用法
第1回 個人の「病気リスク」を検査して予防に役立てよう
梅方久仁子=ライター
「人生100年時代」と言われる今、ただ長生きをするのではなく、いかにして健康寿命を延ばすかが重要になってきた。人間ドックの役割も、すでにかかっている病気を発見するだけでなく、将来かかる病気を事前に見つけ、対処することへと広がってきている。この特集では、人間ドックの検査項目や最先端のオプションを活用して健康寿命を延ばす方策を探ってみよう。
「早期発見」から「予防」のための人間ドックへ

寝たきりや認知症になるのは、なるべく避けたいと誰もが思う。がんなどの深刻な病気も予防し、できるだけ健康を保ち、最期まで充実した人生を満喫するには、どうすればよいのだろうか。また、そのために人間ドックを活用することは可能だろうか。
これまでの人間ドックは、主に病気を早期に発見し、重症になる前に対処するものだった。自覚症状がない段階でも、人間ドックで早期に異常を発見すれば、軽症のうちに治療できる。
早期発見・早期治療は、非常に重要だ。しかし、たとえ軽症であっても一度病気にかかってしまうと、身体へのダメージは大きい。できれば病気になる前に予防したほうが、健康維持には効果的だ。
ここで、「予防」という言葉について、少し整理しよう。予防医学では、次のように、一次予防、二次予防、三次予防に分けて考えられている。

広い意味では、通常の人間ドックで行う早期発見・早期治療も、二次予防にあたる。ただ、私たちが通常、病気の「予防」と言うとき、イメージするのは一次予防だろう。この特集では、一次予防のために人間ドックを活用する方法について考えていきたい。
この記事の概要
