老化を食い止め、健康で長生きしたい――。これは誰もが共通に思っていることだろう。そして今、若さを保つ「アンチエイジング」効果を示す食品や運動についての研究成果が世界的に蓄積されている。今回は、ここ数年に発表された最新研究から、「抗酸化・抗糖化」「血管機能・血流改善」「代謝アップ」の3つに役立つ食品と成分、運動をそれぞれ紹介していこう。
<1>抗酸化・抗糖化
コーヒー・ココア・茶葉のポリフェノールがカギ

アンチエイジングを支える最も重要な働きが「抗酸化」。活性酸素や糖化産物の蓄積による酸化ストレスは、生活習慣病をはじめとする加齢性疾患を引き起こす最大の要因とされるからだ。
抗酸化成分として、いま世界的に注目されているのは植物に含まれるポリフェノール類。コーヒーのクロロゲン酸や、ココアのフラボノイド、茶葉のカテキンなどがその代表だ。これらを多くとる人ほど酸化ストレスと、その結果としての老化が抑えられることが分かってきた。
例えば、コーヒー消費量と肌の色素沈着の関係を調べた日本の研究。コーヒーを多く飲む人ほどポリフェノール摂取量が多く(下グラフ)、肌の色素沈着が少ないことが分かった。
フラボノイド豊富なココアを毎日飲んでもらった韓国の研究では、肌の弾力やシワの改善に効果があった(下グラフ)。
緑茶、紅茶、中国茶の一つホワイトティー(白茶)のいずれかを、紫外線で肌を光老化させたヘアレスマウスに与えた実験では、どの茶でも、コラーゲンと弾性線維の密度が上がり、シワ形成が抑えられる効果が見られた。
ココアフラボノイドが軽度認知障害の高齢者の認知機能を向上させる可能性を示した報告や、タマネギやサニーレタスなどに豊富なケルセチンの神経保護作用を示した報告もある。
50代後半の女性、約1万人を15年追跡し、70歳以上に達した1517人を分析した結果、ポリフェノール類の摂取は、(1)慢性疾患、(2)認知機能、(3)身体機能、(4)メンタルヘルスの4つに問題がない「ヘルシーエイジング」を実現する確率を高めることも分かっている。
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