かゆくて耐えられない! 皮膚科での「かゆみ」治療は3本柱で
第3回 かゆみに困ったら、皮膚科へ
梅方久仁子=ライター
冬場の悩ましい「かゆみ」を撃退する秘訣を、皮膚科専門医の小林美咲氏に聞いていく本特集。最終回となる今回は、皮膚科で受けるかゆみ治療の実際について。末梢性の皮膚のかゆみに最もよく使われるステロイド外用薬は、「短期集中で使い、しっかり治す」ことで、かゆみ撃退の強い味方になる。
冬に起こりやすい体のかゆみの原因と対策を、皮膚科専門医の小林美咲氏にお聞きする本特集。第3回は、皮膚科でのかゆみの治療について紹介しよう。ただのかゆみと思っていても、放置すると炎症を起こし、様々な皮膚疾患につながりやすい。早めの治療できちんと治すことが大切だ。

治療の3本柱は、「原因の除去」「薬」「行動を変える」
第1回、第2回で紹介したように、冬のかゆみの多くは、乾燥や皮膚のバリア機能の低下により、摩擦などの外部からの刺激に皮膚が敏感に反応することによって起こる。皮膚の乾燥が進んだ状態を乾皮症(皮脂欠乏症)というが、適切なケアを行わずにかゆいところをかき続けていると、皮膚のダメージが大きくなり、様々な皮膚疾患が起こってくる。
そうなる前に、第2回で紹介したような間違った生活習慣の改善、保湿クリームによるケア、「かかないこと」によって悪化を防ぎたいところだが、どうしても抑えられないかゆみがある場合は、早めに皮膚科を受診して、医師による適切な治療を受けたほうがいい。
「かゆみでも、ほかの皮膚トラブルでも、私は患者さんが受診されたらまず全身の皮膚の状態を観察して、原因を探すことから始めます。いつ、どのような症状が出たのかを聞き、肌を見せてもらい、必要なときには検査を行います。診断がついたら、はじめて治療にかかります」と小林氏は話す。
皮膚科医にかゆみの原因や皮膚の状態を正しく診断してもらうためには、症状の経過をきちんと説明することが大切だ。いつ頃、どのようなときに、どういう症状が出て、どのくらい続いたのか。漏れのないよう説明するには、あらかじめ紙に書いておくなどするとよいだろう。
小林氏によると、「かゆみ」の治療の3つの柱は、「原因を取り除く」「薬を上手に使う」「行動を変える」だという。