血管は乱れた食生活でボロボロになっていく
第2回 血管を強くする「食事の3原則」とは
田中美香=医療ジャーナリスト
長く健康で生き生きと過ごすためには、強い血管を保つことが大切だ。そして、その実現のためには、適切な「食生活」が欠かせない――。では、食生活をどうすればいいのか。よく「血管にいい」といわれる食材があるが、それを食べればOKなのか。今回も、“老い知らずの心臓外科医” 南和友先生に、血管を若返らせる食事法を聞いていく。南先生が推奨する「食事の3原則」とは?
第1回で解説したように、人の生命力は血管によって維持されている。血液は、血管を通って体全体に栄養や酸素を届け、老廃物を回収する役割を持つ。血液がスムーズに流れると、新陳代謝が促進されて体の健康、そして若さが維持される。だが、不適切な食生活や運動不足、さらにストレス過多な生活を続けると、血管が傷みやすくなり、血管は硬くなり、血液の質も悪化し、健康や若さは損なわれてしまう。

前回紹介したように、南先生は、血管の若さを保つための重要な要素は、「血圧」「コレステロール」「血糖値」の3つだと話す。これらを正常値に保つには、乱れた食生活を見直す、有酸素運動によって運動不足を解消するなど、日常生活の改善が欠かせない。食事と運動という2大ポイントのうち、今回は食事を取り上げる。
血管を強くする食事の効果は、21日目以降に徐々に表れる
南先生は、「血管は年齢ではなく、乱れた食生活でボロボロになっていくのです」と話す。「食生活次第では、30歳を過ぎると動脈硬化が進行し始めます」と警告する。
「血管を若返らせる食事」というと、タマネギ、納豆など“特定の食材”がフォーカスされることが多い。実際、テレビや雑誌などを見ていると、「血液を若返らせる食材」「血液をサラサラにする食材」などがよく取り上げられる。そして、テレビで取り上げられると、スーパーの棚からその食材が消える、などということも珍しくない。
もちろん、タマネギも納豆もいい効果がある。だが、南先生は、はやりの食材を「部分的」に取り入れることは避けたほうがいいと話す。
「血管や血液にいい食材というのは確かにあります。ただし、単体で取り入れて満足するのではなく、生活そのものを変えるために使ってください」(南先生)。例えば、納豆を取り入れても、高塩分のおかずを好んで食べ、炭水化物の重ね食べを続けていたら、血管を若返らせることはできない。つまり、基本となる食生活を変えずに、ただ流行の食材だけを取り入れるだけでは意味がないのだ。
では、基本となる食生活をどうすればいいのだろうか――。血管を強くするための食事法には3つの原則があると南先生は話す。
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