膝の痛みには「クッションつぶし」から始めよう
第3回 中野ジェームズ修一直伝! 変形性膝関節症に効く筋トレ・ストレッチ
松尾直俊=フィットネスライター
膝に痛みがあると、外出するのもおっくうになる。運動なんてもってのほか、と思うかもしれない。だが、そんな痛みを軽減・予防するために、運動が有効なこともある。『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP社)を上梓したフィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんに、膝に痛みが起きた要因から、再発を防ぐ運動のやり方まで解説してもらおう。
膝が痛いからといって外出を控えていると…

整形外科的な痛みを運動で解消する方法について、フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんに指導してもらうこの特集では、第1回が「肩こり」を、第2回が「腰痛」を取り上げた。最終回となる第3回は「膝痛」だ。
年を取るに従って「膝が痛い」と訴える人が増えてくる。膝は、立つ、歩く、走るなどの動作において体の重みを支え、地面からの衝撃を受け止めている関節なので、日ごろからかなりの負担がかかっている。
その負担が徐々に積み重なって膝にダメージを与え、痛みとなって現れるのが「変形性膝関節症」だ。
変形性膝関節症の人は、全国で2530万人以上いると推測されている(*1)。そのうち男性は860万人、女性は1670万人で、女性が多い。主な原因は膝関節の“老化”だが、過去の骨折、靱帯や半月板の損傷、化膿性関節炎などの後遺症として発症する例もある。
「膝が痛くなると、いくらウォーキングやジョギングが体に良くても、取り組む気力がなくなってしまいますよね。それどころか、外出するのもおっくうになって、足腰が弱り、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)にまっしぐら、ということにもなりかねません」(中野さん)
膝に痛みがあると運動なんてできないと思う人は多いかもしれないが、実は運動によって膝の痛みを軽くすることが可能な場合もある。特に初期の段階であれば、膝の回りの筋肉を鍛えて、関節への負担を軽減したり、筋肉を柔らかくして動きを滑らかにしたりすることで、痛みの軽減が期待できるのだ。