動画で解説! 腰痛に効く9つの静的ストレッチ
第2回 中野ジェームズ修一直伝! 自分に合ったストレッチで筋肉をほぐそう
松尾直俊=フィットネスライター
肩こりや腰痛、膝痛など、体のどこかが痛むと運動どころではないと思うかもしれない。だが、そんな痛みを軽減・予防するためにも、運動が有効なこともある。『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP社)を上梓したフィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんに、痛みが起きた要因から、再発を防ぐ運動のやり方まで解説してもらおう。今回は「腰痛」について。

肩こり、腰痛、膝痛などの整形外科的な痛みを運動で軽減・予防する方法について、フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんに指導してもらうこの特集。前回は「肩こり」について紹介した。今回は、やはりつらい症状を訴える人が多い「腰痛」だ。
厚生労働省研究班が2013年に公表した推計によると、腰痛を訴える人は全国で2770万人もいるという(*1)。実際、慢性的に腰の痛みを感じる人はとても多く、「腰痛に悩むことなく生涯を終える人は、全人口の1~2割程度」という説もある。
「腰が痛いと、それだけで動くのがおっくうになって日常の活動量が落ち、生活の質(QOL)も低くなってしまいます。活動量が少なくなれば代謝も悪くなり、それが原因で体重が増えると、腰にさらに負担がかかって痛みがひどくなる…。そんな悪循環に陥ってしまうかもしれないのです」(中野さん)
原因が分からない腰痛はストレスによる可能性も
それでは、腰痛の原因とは何だろうか? 実は、腰痛の原因がはっきり分かるのは全体の15%で、残りの85%は原因が特定できない「非特異的腰痛」と言われている。
15%の内訳は、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、重篤な脊椎病変、内臓の病気などで、画像診断や精密検査によって判明する。
残りの85%も、どこかの筋肉や神経などに原因はあるのかもしれないが、画像診断などではなかなか分からないのだ。
また、原因が特定できない場合に、実はそれが心因性の腰痛であるケースもある。日本整形外科学会と日本腰痛学会が監修した「腰痛診療ガイドライン」では、3カ月以上続く慢性腰痛の治療については、抗炎症薬、鎮痛薬に加えて、抗不安薬と抗うつ薬が推奨されている。