慢性のつらい肩こりも撃退! 肩をぐるぐる回す動的ストレッチ
第1回 中野ジェームズ修一直伝! 動画でわかる痛みを根本から治す方法
松尾直俊=フィットネスライター
肩こりや腰痛、膝痛など、体のどこかが痛むと運動どころではないと思うかもしれない。だが、そんな痛みを軽減・予防するためにも、運動が有効なこともある。『医師に「運動しなさい」と言われたら最初に読む本』(日経BP社)を上梓したフィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんに、痛みが起きた要因から、再発を防ぐ運動のやり方を指導してもらおう。今回は「肩こり」について。
なぜぶり返す? 肩こり、腰痛などの整形外科的な痛み

「肩こり」や「腰痛」で悩んでいる人はとても多い。厚生労働省の2016年の「国民生活基礎調査」によると、病気やケガなどの自覚症状がある人の割合は、男性の1位が「腰痛」で2位が「肩こり」、女性の1位が「肩こり」で2位が「腰痛」となっている。
こうした、整形外科で診てもらうタイプの痛みは、慢性化しやすいのが特徴だ。病院で薬をもらったり、あるいはマッサージに行ったりして一時的に痛みがとれても、時間がたつとぶり返してしまうのだ。
「肩こりや腰痛を病院で診てもらったら、一度ですっきりと治って、再発していません」という人はまずいないだろう。なぜなら、薬やマッサージでは、肩こりや腰痛の原因となっている根本的な問題を解決できない場合が多いからだ。
この特集では、こうした整形外科的な痛みを軽減・予防する方法について、フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんに解説していただく。
中野さんは、青山学院大学駅伝チームなどのフィジカル強化指導を担当するだけでなく、パーソナルトレーナーとして中高年向けの生活習慣病対策や、ロコモティブシンドローム対策のための指導も行っている。
「膝や肩、腰に痛みがある人は、運動どころではないと思うかもしれませんが、痛みが出ないようにメニューを工夫し、自分の症状に合ったストレッチやエクササイズを行うことで、痛みを軽減させるだけでなく、再発を防ぐことも可能なのです」(中野さん)
特集の第1回は、「肩こり」を取り上げよう。
肩こりの原因は、長時間にわたるパソコンでの作業や、重い荷物を持っての移動、それに眼精疲労やストレスなど、いろいろなものが考えられる。肩や首の回りが軽く張っている程度であれば、ストレッチなどで一時的に良くなるかもしれない。
だが、やはり根本的な問題を解決しなければ、痛みやコリは再びぶり返す。そしてひどくなると、頭痛や吐き気までもよおすこともある。