「布団に入ったらバタンキュー」は健康の証ではなかった!
第1回 脳と体の疲れがとれる「本当の睡眠術」
伊藤和弘=フリーランスライター
午前中に光を目に入れると朝型化する
本来、自分の体内時計に合ったリズムで生活するのが最も自然で健康にいいだろう。しかし極端に社会とずれたリズムで暮らしていては、まともな社会生活が送れなくなってしまう。私たちは体内時計をできるだけ社会に合わせざるを得ない。
体内時計は光によって調整することができる。光の中でも体内時計に作用するのは太陽光やLEDに含まれるブルーライト(青色光)。午前中に光を浴びると体内時計が朝型に、夕方以降に光を浴びると夜型にシフトするという。週末に寝坊すると、社会的ジェットラグに加え、午前中の光を浴びないことも原因で早起きがつらくなるというわけだ。
「朝型にするためには夜間の照明も大切。特にLEDはブルーライトが多いので、ブルーライトを含まない暖色系の光や刺激の少ない間接光にするといいでしょう。逆に必要以上に早く目が覚めてしまうことに悩んでいる高齢者は、午前中に日光を浴びないように注意することです」(三島さん)
体内時計を朝型にするには、朝起きたときに日光を浴びること。顔は横向きではなく、直射日光は避けながら明るい青空に視線を向けよう。「目にしっかり光を入れなければ体内時計に作用しません」と三島さんは注意を促す。
休日も社会的ジェットラグを作らないように、できるだけ普段と同じ時刻に起きて日光を浴びるようにする。眠いようなら昼寝をすればいい。長時間の昼寝は夜間の睡眠に悪影響を及ぼすが、働く世代であれば1時間以内なら影響は少ない。高齢の方は30分以内にする。
不眠症を招く3つの誤った習慣は早寝、長寝、昼寝
睡眠不足や社会的ジェットラグに悩む人が多い現役世代に対して、リタイアしてゆとりができると増えてくるのが不眠症だ。
「不眠症の人は早寝、長寝、昼寝という誤った睡眠習慣を持っている人が多い。この3つをやめないと不眠症は絶対に良くなりません。逆に、この3つをやめるだけで不眠症が治ることも多いんです」(三島さん)