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「スマートリィ・エイジングEXPO」レポート

現代人が注意すべきは、カロリーよりも糖質のとり過ぎ

第3回 美味しく楽しく食べて健康に ~正しい糖質制限(ロカボ)の勧め~

 伊藤和弘=フリーランスライター

ダイエットと血糖値に加え、脂質代謝も改善

 糖質制限の効果を明確にしたのは2008年、今から10年前に行われたDIRECT(ダイレクト)試験だ(*1)。肥満に悩んでいる322人を3グループに分け、3種類の食事法を2年間続けてもらった。

 まず、油とカロリーを控え、当時は最も健康的と思われていた「低脂質・低カロリー食」。次に油はとってもいいがカロリー制限はある「地中海食・低カロリー食」。そして、1日の糖質を120グラム以内に抑えるだけで油やカロリーはいくらとってもいい「低糖質・カロリー無制限食」(ほぼロカボと同義)だ。

 その結果、ダイエット(体重減量)に最も効果があったのは予想に反してカロリー制限のない糖質制限だった。どの食事法も体重の減量は認められたが、体重の下げ幅が最も大きいのは、カロリー制限でなく糖質制限だったのである。

 「油を控えているとエネルギーを使わず、ため込みやすい体になる。一方、たんぱく質や油は早く満腹感を得られてそれが長続きするし、そしてエネルギーを燃やしやすい体になるんです」と山田さんは説明する。

 ロカボの効果はダイエットだけではない。カロリー制限食を続ければ当然体重は減るが、脂質制限では血液中の中性脂肪やコレステロール値にはほとんど影響が見られなかった。ところが糖質制限をしたグループは、明らかに中性脂肪が下がり、HDL(善玉)コレステロールが増えていた糖尿病の指標となるHbA1cは、ほかの食事法の倍程度の改善効果が見られた

糖質制限食によって中性脂肪値が改善
322人の肥満の男女を3つのグループに分け、「カロリーと油を控える」カロリー制限食、「カロリーを控えて油(オリーブオイルなど)はとる」地中海食、「カロリー無制限で糖質だけを1日120g以内に抑える」糖質制限食という3種類の食事療法の効果を調べた研究が「ダイレクト試験」。2年後、3つのグループのうち、最も減量効果が高く、中性脂肪値を下げ、善玉コレステロールを増やし、HbA1cが改善したのは糖質制限食だった。(N Engl J Med. 2008;359:229-241.を基に編集部により改編)
[画像のクリックで拡大表示]

 日本では、山田さんたちが同様の研究を行っている(*2)。糖尿病患者24人を12人ずつに分け、一方にはカロリー制限食、もう一方にはロカボを6カ月間続けてもらった。カロリー制限食では、血糖値や中性脂肪はほとんど変化が見られない。それに対してロカボのグループは血糖値も中性脂肪も明らかに改善したという。

*1 N Engl J Med. 2008 ;359(3):229-41
*2 Intern Med. 2014 ;53(1):13-9

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