口の中に無頓着な人は自分で寿命を縮めている
第1回 動脈硬化に糖尿病…諸悪の根源、歯周病が全身に与える脅威とは
田中美香=医療ジャーナリスト
糖尿病・腎臓病・歯周病の1つが悪化すれば、悪循環が始まる
すべての臓器に血管が通っている以上、口内細菌が血液中に入って菌血症となれば、どの臓器に細菌が到達しても不思議ではない。妊娠中の女性の子宮に届けば低出生体重児の出産リスクを高め、心臓に届けば心臓の内膜・弁膜に細菌が増殖する感染性心内膜炎を起こすことがある。細菌が血管内で炎症を起こすと、そこにLDLコレステロールや貪食細胞(マクロファージ)がたまってアテローム(粥腫 じゅくしゅ)となり、動脈硬化を招く。歯周病菌を持つ限り、影響を受けない臓器はゼロといっていいだろう。