大腸カメラよりもキツイ、検査前の大量の下剤
大腸がん(第2回)
近藤慎太郎=医師兼マンガ家
ほかにも、検査中には腹部の不快感があります。大腸の一部は、お腹の中でブラブラと自由に動いています。その中にカメラが入ることで、大腸が引っ張られたり、痛みが出たりすることがあるのです。特に子宮筋腫や帝王切開など、腹部の大きな手術を経験したことのある場合は、大腸とお腹の壁が癒着して不自然な格好になっていることがあり、不快感が強くなりがちです。
その結果、粘膜から出血したり、極端なケースでは大腸に穴が開いてしまったりするという報告もあります。全国集計によればおよそ1万人に1人、そのような偶発症が起きています(*8)。
大腸カメラは、胃カメラ以上に術者の技量が検査内容を左右する検査です。受ける場合には事前に調べて、評判の高い施設や医師を選ぶようにオススメします。
大腸がんのリスクは40歳を超えると上がってきます。便潜血が陽性になった場合はもちろん、何もなくても人間ドックのオプションなどを活用して、一度はポリープの有無をチェックしておきましょう。
ポリープが全くないきれいな大腸であれば、「大腸がんのリスクは少ない」と判断できます。一方、大きなポリープがあったり、ポリープの数が多かったりした場合は、定期的にフォローをすることによってリスクを減らせます。つまり大腸カメラは現状を評価するためだけではなく、「自分の大腸がん検診を今後どうしていくのか」という方針を決めるためにも必要な検査なのです。
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