ED、しわの原因、化学物質…なのにタバコを吸うのはなぜ?
肺がん(第3回)
近藤慎太郎=医師兼マンガ家
非喫煙者と喫煙者の間で開く格差
タバコの値段以外にも喫煙者は非喫煙者に比べてずっと多くのお金を払っています。
保険会社の生命保険やがん保険に入る際に、唾液を採取してタバコを吸っているかどうかの検査を受けた記憶はありませんか。
タバコを吸っている人は病気のリスクが高いので、保険会社の支払いが増える可能性があります。そのため、もともとの保険料が割高に設定されているのです。
今後は健康保険も同じような構造になるかもしれません。
日本の医療財政は非常に厳しい状況に追い込まれており、健康保険の自己負担を上げることが真剣に議論されています。
例えば過去には、国家戦略特区のワーキンググループで、自己負担を原則6割にして、メタボ基準をクリアしている人は3割に、タバコを吸っている人は7割にすることが提言されています(*16)。衆議院議員の小泉進次郎氏らも、「健康ゴールド免許」という考え方を提唱しています。これは、健康管理に努めて一定の基準に達した人を対象に、健康保険の自己負担を3割から2割に引き下げるというような内容です。
いずれも、自助努力の有無によって差をつけようという発想です。
これらのアイディアがそのまま実現するかはともかく、重要なことは、そんな発想をする人は今後も出てくるだろうし、おそらく同調する人もたくさん出てくるだろうということです。
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