日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様
日経Gooday TOP  > からだケア  > 医者がマンガで教えるがん検診の受け方、使い方  > 前立腺肥大、薬の選び方次第では射精障害に?  > 3ページ目
印刷

医者がマンガで教えるがん検診の受け方、使い方

前立腺肥大、薬の選び方次第では射精障害に?

前立腺がん(第3回)

 近藤慎太郎=医師兼マンガ家

前立腺肥大の治療薬でEDが改善する

 通常、早期の前立腺肥大であれば薬物療法が選択されます。

 第一選択薬として処方されることが多い「α1遮断薬」、効果が不十分な時に追加される「PDE5阻害薬」や「5α還元酵素阻害薬」、最近は処方頻度が減っていますが「抗アンドロゲン薬」などもあります。

 この中で、PDE5阻害薬は、もともとEDの治療薬として開発されたものです。前立腺肥大にも効果があることが分かったため、ほぼ同成分ながら、別名で販売されています。

 5α還元酵素阻害薬もなかなか興味深い薬です。簡単に言うと、この薬はテストステロンの作用を抑える効果を持っています。

 テストステロンは前立腺肥大やAGAのリスクを上げると前述しましたが、この薬がそれを抑えることによって、前立腺肥大の治療だけでなく、発毛効果まで期待できるのです。実際に、こちらの薬も別名でAGA治療薬として販売されています。

 ただし良いことばかりではなく、テストステロンを抑える反作用として、乳房が大きくなったり、乳首の腫れや痛みが出たりするケースが報告されています。

 現状ではEDやAGAの治療は保険適用外なので、「先生、前立腺肥大ってことにして保険で薬を出してくれませんか」という人もまれにいますが、もちろんそんなことはできません。

 厚生労働省もそんな可能性は重々承知しており、これらの薬を保険適用で出す時には、本当に前立腺肥大かしっかりと診断した根拠を提出することが求められます。

 そして重要な注意点です。PDE5阻害薬を除いて、どの薬を選択した場合でも、多かれ少なかれ性機能に影響が出てきます。下の表を参照してください。このうち「射精障害」というのは、精液が陰茎の外ではなく、逆方向、つまり膀胱の方に出てしまうことです。健康上の影響はありませんが、気になる場合は薬を変更して対処します。

前立腺肥大の治療薬の副作用と頻度
前立腺肥大の治療薬の副作用と頻度
「前立腺肥大症診療ガイドライン」より
[画像のクリックで拡大表示]
[画像のクリックで拡大表示]
『医者がマンガで教える 日本一まっとうながん検診の受け方、使い方』

この記事は、日経BP社の『医者がマンガで教える 日本一まっとうながん検診の受け方、使い方』(近藤慎太郎著、312ページ、税込1512円)からの転載です。

■参考文献
『前立腺肥大症診療ガイドライン』
近藤慎太郎(こんどう しんたろう)さん
医師兼マンガ家 日赤医療センター、亀田総合病院、クリントエグゼクリニックなどで勤務
近藤慎太郎(こんどう しんたろう)さん 北海道大学医学部、東京大学医学部医学系大学院卒業。日赤医療センター、東京大学医学部付属病院を経て、山王メディカルセンター内視鏡室長、クリントエグゼクリニック院長などを歴任。消化器の専門医として、これまで数多くのがん患者を診療。年間2000件以上の内視鏡検査・治療を手がける。特技はマンガで、解説マンガも著者が自ら描いている。

先頭へ

前へ

3/3 page

RELATED ARTICLES関連する記事

からだケアカテゴリの記事

カテゴリ記事をもっと見る

FEATURES of THEMEテーマ別特集

  • 加齢で進む胃の不調 機能性ディスペプシアと逆流性食道炎の原因と対策

    加齢により胃の機能が衰えると、さまざまな不調が起きる。ピロリ菌の除菌が進んで胃がんや胃潰瘍が減ってきた今、胃の病気の主役は、胃もたれや胃痛の症状を招く「機能性ディスペプシア」と、胸やけやげっぷが起きる「逆流性食道炎」の2つに移行しつつある。なぜ機能性ディスペプシアと逆流性食道炎は起きるのか、どのような治療が必要なのか、セルフケアで改善・予防できるのか。このテーマ別特集では、胃の不調の原因と、それを解消するための対策を一挙紹介していく。

  • 「中途覚醒が多く寝た気がしない」 中高年の睡眠の悩み解消術

    「睡眠の途中で何度も目を覚まし、眠った気がしない」「早朝に目覚めてしまい、その後なかなか寝付けない」――。歳をとるにつれ、そんな「中途覚醒」「早朝覚醒」に悩まされるようになったという人も多いだろう。なぜ中途覚醒は起きるのか。中途覚醒を解消して、若い頃のような「熟睡」を手に入れることはできるのか。このテーマ別特集では、中途覚醒の原因と、それを解消するための対策を一挙紹介していく。

  • 強い足腰を維持するための「骨」の強化法

    健康長寿の大敵となる「骨の脆弱化」を予防するには、若いうちから「骨を強くする生活習慣」を取り入れていくことが大切だ。このテーマ別特集では、骨が弱くなるメカニズムや危険因子、骨を強く保つための生活習慣のポイントなどについて解説していく。

テーマ別特集をもっと見る

スポーツ・エクササイズSPORTS

記事一覧をもっと見る

ダイエット・食生活DIETARY HABITS

記事一覧をもっと見る

からだケアBODY CARE

記事一覧をもっと見る

医療・予防MEDICAL CARE

記事一覧をもっと見る

「日経Goodayマイドクター会員(有料)」に会員登録すると...

  • 1オリジナルの鍵つき記事鍵つき記事がすべて読める!
  • 2医療専門家に電話相談できる!(24時間365日)
  • 3信頼できる名医の受診をサポート!※連続して180日以上ご利用の方限定

お知らせINFORMATION

日経Gooday新型コロナ特設

SNS

日経グッデイをフォローして、
最新情報をチェック!

RSS

人気記事ランキングRANKING

  • 現在
  • 週間
  • 月間

NIKKEICopyright © 2021 Nikkei Inc. All rights reserved.