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医者がマンガで教えるがん検診の受け方、使い方

前立腺がんの患者が急激に増えたのはなぜ?

前立腺がん(第1回)

 近藤慎太郎=医師兼マンガ家

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治療すべきか否かは、状況による

 誤解のないように強調しておきますが、PSA検診が全く無効であるというわけではありません。PSA検診で早期がんが見つかって、治療によって死亡を避けられた人も、中にはいます。

 ただ大事なことは、前立腺がんが見つかったからといって、一律にすべての人に治療が必要になるわけではない、ということです。特に非常に高齢の人の場合、何も治療せずに経過観察することも容認されるでしょう。

 治療には様々な合併症がつきものです。治療の必要性と合併症のリスクを天秤にかけて、発見された前立腺がんが、寿命に影響するかどうかを慎重に見極める必要があるのです。

 悩ましいのは、たとえPSA検診が悪性度の低いラテントがんをたくさん見つけてしまうのだとしても、前立腺がんは放っておいていいということにもならない、ということです。PSA検診に何らかの問題があるなら、医療者にとって次なる重要な課題は、悪性度の高い一部の前立腺がんだけを見つける検査方法を確立することなのです。

『医者がマンガで教える 日本一まっとうながん検診の受け方、使い方』

この記事は、『医者がマンガで教える 日本一まっとうながん検診の受け方、使い方』(近藤慎太郎著、日経BP社発行、312ページ、税込1512円)からの転載です。

■参考文献
『有効性評価に基づく前立腺がん検診ガイドライン2008』
『有効性評価に基づく前立腺がん検診ガイドライン ERSPC・PLCO に関する更新ステートメント2011』
『前立腺がん検診ガイドライン2010年増補版』日本泌尿器科学会
『前立腺がん診療ガイドライン2016』日本泌尿器科学会
Schroder FH, et al. Screening and prostate cancer mortality: results of the European Randomised Study of Screening for Prostate Cancer (ERSPC) at 13 years of follow-up. Lancet 2014;384:2027-35.
Andriole GL, et al. Mortality results from a randomized prostate-cancer screening trial. N Engl J Med 2009;360:1310-9.
Ilic D, et al. Screening for prostate cancer. The Cochrane database of systematic reviews. 2013(1):CD004720.
近藤慎太郎(こんどう しんたろう)さん
医師兼マンガ家 日赤医療センター、亀田総合病院、クリントエグゼクリニックなどで勤務
近藤慎太郎(こんどう しんたろう)さん 北海道大学医学部、東京大学医学部医学系大学院卒業。日赤医療センター、東京大学医学部付属病院を経て、山王メディカルセンター内視鏡室長、クリントエグゼクリニック院長などを歴任。消化器の専門医として、これまで数多くのがん患者を診療。年間2000件以上の内視鏡検査・治療を手がける。特技はマンガで、解説マンガも著者が自ら描いている。

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