嗅覚がなくなると死亡率が上がる!?
第2回 嗅覚を鍛えることは可能! そのためには何をすればいい?
田中美香=医療ジャーナリスト
知られざる「匂いと健康」の関係を紹介する本コラム。前回は「嗅覚低下は認知症の初期症状の恐れがある」との報告を紹介した。今回取り上げるのは「嗅覚と死亡率の関係」。日ごろ我々は嗅覚について意識する機会が少ないだけに、改めてそのありがたみを再確認できるはずだ。
「嗅覚がなくなった人は死亡率が高かった」という報告も
第1回では、嗅覚低下が認知症の初期症状の1つであるとする研究報告を紹介した。だが、怖いのは認知症だけではない。嗅覚がなくなった人は、5年以内に死亡する確率が高かったという報告もあるのだ。
米国で行われたこの研究は、57~85歳の3005人を対象として、5年以内に死亡する割合を調べたもの(*)。嗅覚がなくなった人(嗅覚消失)、嗅覚が鈍くなる「嗅覚鈍麻」の人、嗅覚異常がない人、の3グループを比較すると、嗅覚が落ちるほど死亡率が高いという結果が出ている(下図)。
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