「かくれ脱水」を見つけるサインと水分補給の極意
第2回 脱水症は、経口補水液を1本飲めば劇的に回復
梅方久仁子=ライター
体から水分と塩分が失われた「脱水症」は、熱中症のみならず、脳梗塞、心筋梗塞、肺炎など、命にかかわる危険な病気を引き起こす(第1回参照)。第2回では脱水症や、その一歩手前の「かくれ脱水」に気付くためのサインと、「正しい水分補給の極意」について、引き続き済生会横浜市東部病院患者支援センター長兼栄養部部長の谷口英喜氏に聞いていく。
第1回(医師が警鐘、「脱水」「かくれ脱水」が引き起こす危険な病気)で紹介したように、水分・塩分不足や大量の発汗から起こる脱水症や「かくれ脱水」は、熱中症以外にもさまざまな体調不良や重大な病気を引き起こす。特に、じわじわと進む慢性の脱水症は自分では気づきにくく、発見が遅れやすい。では、どんなサインをキャッチすればいいのだろうか?
まずは、谷口氏に「誰にでもできる脱水症の発見方法」を紹介してもらった。以下の5つのチェックポイントのうち、1つでも該当したら脱水症が疑われる。もし、このサインに加えて体調不良があれば、医療機関を受診した方がいい。
あなたは大丈夫? 脱水症を見つける5つの方法
1. 握手する | |
![]() | ⇒ 冷たければ脱水症の疑いあり |
POINT! 脱水症になると血液は重要な臓器に集中し、手足などの末梢まで血液が行き渡らなくなって冷える |
2. 舌を出す | |
![]() | ⇒ 乾いていたら脱水症の疑いあり |
POINT! 脱水症になるとだ液が減少し、舌の表面も乾いてくる |
3. 親指の爪の先を押す | |
![]() | ⇒ 赤みが戻るのに3秒以上かかったら脱水症の疑いあり |
POINT! 指先は血管が細いため水分不足の変化が出やすい |
4. 皮膚をつまむ | |
![]() | ⇒ 元に戻るのに3秒以上かかったら脱水症の疑いあり |
POINT! 脱水症になると皮膚の水分が減り、弾力性がなくなる。 |
5. 高齢者のわきの下を確認する | |
![]() | ⇒ 乾いていたら脱水症の疑いあり |
POINT! 通常、高齢者のわきの下は汗による潤いがある。脱水症になると汗が出なくなるのでわきの下が乾燥してくる。 |
(谷口英喜著『イラストでやさしく解説!「脱水症」と「経口補水液」のすべてがわかる本 改訂版』を参考に作成)