「サバ缶」で脳が若返り、血管がしなやかに?
サバ缶のここがスゴい【前編】 生食以上に“いい成分”を含む天下無双の食材
日経おとなのOFF
今、日本で最も多く生産されているのは、ツナ缶ではなくサバ缶だということをご存じだろうか。サバ缶人気が高まっている。理由を探ると、サバ缶は、生食以上に“いい成分”をたっぷり含む天下無双の食材だということが分かった。日経おとなのOFFムック『毎日、サバ缶』よりお届けする。

![]() | 脳が若返る DHAは脳や目に含まれる“いい油” |
非常食か保存食。その程度の地味な存在だったサバ缶が、水産缶詰食品の主役に躍り出た。その生産量はツナ缶を抜き、第1位を獲得したのだ(*)。
長年、魚油の研究を続けてきた早稲田大学ナノ・ライフ創新研究機構の矢澤一良さんは、「旬の最も脂が乗った状態のサバを缶に封じ込めることによって、青背魚にたっぷり含まれるEPA、DHAなどの“いい油”を、安価に手軽に取ることができる」と説明する。
魚の脂のDHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳や目の網膜などの神経系や、母乳や精子にも存在する脂質。DHAは細胞膜に取り込まれると、神経伝達のやり取りをスムーズにする。「認知症の発症リスクを下げる、視力低下抑制、学習機能向上などに有効とされ、研究が進行しています」(矢澤さん)。