現在、国内で高血圧と推定される人は4300万人にのぼる。特に注意すべきは中高年の男性だ。血圧は年齢とともに上昇する傾向があり、男性の場合、50歳を過ぎると5割近くが高血圧に該当する。高血圧は血管の老化を進める原因の1つで、「健康寿命を縮めたくなければ、高血圧は回避すべき」というのは、中高年にとって常識だろう。
しかし、多くの場合、高血圧には自覚症状がない。本人が気づかないうちに“静かに”進行し、ある日突然、心筋梗塞や脳卒中などを起こし、最悪の場合は死に至る。高血圧から脱却するには、生活習慣を見直す必要があるのは周知の通りだが、自覚症状がないため、なかなか「続かない」。そこで本特集では、確実に血圧を下げるコツを、“ミスター血圧”こと、前東京女子医科大学東医療センター内科教授・愛知医科大学客員教授の渡辺尚彦さんに聞いていこう。
前東京女子医科大学東医療センター内科教授・愛知医科大学客員教授
