やせていて筋肉がつきにくい人は肩の筋トレから攻める!
第3回 見た目の成果が出やすい部位を鍛えて筋肉の“谷間”を刻もう
松尾直俊=フィットネスライター
たるんだお腹を引っ込めるため、筋力低下を防ぐため、いつまでも自分の足で歩くため、「筋トレ」に取り組む人は多い。だが、いくらがんばっても成果が感じられない、という声もよく聞く。やせていて脂肪も筋肉もつきにくい人は、筋トレをしても見た目があまり変わらないのでモチベーションを保ちにくいが、そんな人こそボディビルダーが実践しているテクニックが役立つという。日本体育大学准教授の岡田隆さんに解説してもらおう。

前回は、太りやすい体質の人に向けた筋トレとして、大きな筋肉が集中する下半身や背中を鍛えるメニューを紹介した。今回は一転して、やせている人、脂肪も筋肉もつきにくい体質の人に向けた筋トレだ。
たるんだ体を引き締めよう、という目的で筋トレを始める人は多いが、もともとやせている人は、そういったモチベーションがわきにくい。ダイエット目的で運動する必要がないからだ。
だからといって何もしないでいると、やがて筋力は衰えていき、将来的なロコモティブシンドローム(ロコモ、運動器症候群)につながりかねない。女性も同じで、やせているからといって運動しなくていいわけではなく、健康寿命を延ばすためにも、筋トレが重要になってくるのだ。
とはいえ、がんばって筋トレをしても目に見えた成果が出ないのであれば、続けていても面白くない。せっかく筋トレするなら、「見た目にも体が変わった」という実感が欲しいのは、男性でも女性でも同じだ。
脂肪も筋肉もつきにくい人がやるべき筋トレとは?
やせている男性の中には、「メタボの心配はないけれど、体が貧弱に見えてしまう。もう少し筋肉をつけたい」と考えている人も多い。また、女性でも最近は、「ちょっとだけ筋肉質の引き締まったボディラインを作りたい」という人も増えてきている。だが、実際に筋トレを始めてみても、筋肉がつきにくい体質のせいで、なかなか思ったような体にならないこともある。
日本体育大学准教授で、柔道全日本男子チームの体力強化部門長でもある岡田隆さんは、こう話す。
「確かに世の中には、筋肉がつきにくい、体重が増えにくいという体質の人が一定数います。実際に柔道選手の中にも、トレーニングをしても筋肉がつきにくいことが原因で体重が増えにくい人がいます。目に見えた結果がついてこないと、筋トレを続けるモチベーションが保ちにくいですよね」(岡田さん)
そんな人は、どうしたらいいのだろうか。「例えば、同じ体重60kgでも、大きく見える人と、そうではない人がいます。何が違うかというと、体の『アウトライン』です。大きく見えるアウトラインを作るための筋トレを始めれば、筋肉がつきにくい人でも、成果を早く実感しやすいのです」(岡田さん)
つまり、体のアウトラインが変わるような筋トレをすれば、例えば筋肉が1kg増えただけでも、それが2~3kg増えたかのような印象を与えることができるのだ。「ボディビルダーはまさにそうやって体を大きく見せています」と岡田さんはいう。
![]() | やせていて筋肉がつきにくい体質の人は、体を大きく見せるための筋トレから始めるとよい。 |
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